「本当に準備をしてきた」片山、6位タイで最終日へ
通算6アンダーの6位タイでホールアウトした片山晋呉を、グリーンジャケットを着たオーガスタ・ナショナルのメンバーがアテンドする。向かう先は公式会見場。「ずっと行きたいと思っていた」という場所に、今週2度目の登場を果たした。
「2日間凄く良いゴルフが出来ているし、今までやってきたことを信じてやっている」と、片山は力強い。「マスターズ」には8度目の出場で、毎年この場所で課題を見つけ、それを克服し、さらに新しい壁にぶつかると、それも乗り越えてきた。「それ(やらないといけないこと)が段々少なくなってきて、今年は今まで出来なかったことがやれるので、気持ちいいです。それが快感ですね」。
570ヤードの8番パー5でティショットを右の林に入れたが、2打目でフェアウェイに出し、3打目でピン上6mにつけてバーディ奪取。「あそこに行った時点で、5(パー)か6(ボギー)でしたから、あのバーディは凄く大きかった」と片山。オフのトレーニングの成果と、今週はキャディも務める谷将貴コーチとのスイング改良が成功し、「やってて不安なく振れているし、それだけ振れていると球もまっすぐ飛ぶ」と、3日目を終えてドライバーの平均飛距離は277.67ヤードで、決勝進出の50人中25位につけている。
11番、18番でボギーを叩いたが、13番からは3連続バーディを奪うなど、この日も「70」とスコアを伸ばした。ホールアウトして、公式会見、TVインタビューを終えた時には、真っ赤な夕陽がオーガスタの木々の向こうに消えようとしていた。
「マスターズの3日目のこんなに日が暮れる頃まで、ここでやれていることが幸せ。最高の一日です」と、緊張感よりも幸福感を漲らせる片山。自分のことをやるだけと、優勝や他の選手のことは意識しないが、「勝負事は99%の準備と1%の運と言うけど、本当に準備をしてきたので、1%の運が味方してくれているのだと思う」という片山。最終日も、人事を尽くして天命を待つだけだ。