遼は「全米OP」出場確定! シード獲得に向けて渡米、5連戦に臨む
今週24日(木)開幕の米国男子ツアー「クラウンプラザインビテーショナル」出場に向けて渡米を控える石川遼のもとに、待ちに待った朗報が飛び込んだ。21日(月)に成田空港で開かれた出国会見の直前に発表された最新の世界ランキングで59位に留まり、6月14日に開幕する「全米オープン」出場が決定。「ギリギリでも出場権が獲れたことは素直に嬉しい。1人のプレーヤーとして光栄に思います」と笑顔を浮かべた。
5月21日か6月11日付の、いずれかの同ランク60位以内が出場条件。同58位で迎えた先週の「とおとうみ浜松オープン」では、最終日に失速して41位タイに終わり、“当確”に黄信号が灯っていた中での朗報だった。これで今週の「クラウンプラザ-」を皮切りに、「ザ・メモリアルトーナメント」、「フェデックス セントジュード クラシック」、「全米オープン」、「トラベラーズ選手権」と5週連続参戦のスケジュールが固まった。
石川は今季、米ツアー8試合に出場して約60万ドルを獲得し、前年度の賞金ランク150位相当の賞金額を超えたことで、出場試合が無制限となる「スペシャル・テンポラリーメンバー」(STM)の権利を獲得。(通常、ツアーメンバー以外は12試合、うち推薦出場は7試合に限られる)。今回の5連戦もその賜物によるものだが、「全米オープン」に向けてもこのSTMが活きてくる。「このチャンスを活かして、全米オープンの前から試合にたくさん出たい気持ちはあった。今までで一番良い状態でメジャーに臨めると思う」。
とはいえ、「全米オープン」への参戦だけが今回の遠征の目的ではない。STMの先にある、前年度の賞金ランキング125位以内。つまりは、来季の米ツアーシード権の獲得だ。昨年の同125位は66万8166ドル、一昨年は78万6977ドルと、シーズンによって幅があるためあくまで参考値だが、今年も同じ程度の賞金額が求められるだろう。
「東建から、とおとうみ(浜松OP)までの時期は、今回の5週間のためにあったと言っても過言ではありません」。今回の渡米にかけるシード獲得への思いの強さには、これまでに無いような切迫したものが伝わってくる。「ここまで来られたのは初めてだし、このチャンスを活かしたい。アメリカが勉強と練習の場になれば、また違う“域”に行けると思う。シードを確定させて日本に戻って来たい」。来シーズン、自らを高みへと導く舞台に立つ日を信じ、日本を飛び立った。(千葉県成田市/塚田達也)