遼、10時間に及ぶ猛練習「自分に厳しくしなくては」
米国男子ツアー「ソニーオープンinハワイ」に出場する石川遼が10日(火)、約10時間に及ぶ猛練習を敢行した。朝8時にドライビングレンジに入り、およそ4時間に渡る打ち込み。1時間の休憩を挟んだあと、インコースから18ホールの練習ラウンドを行い、日も傾きかけた18時ごろにホールアウト。そのまま車に乗り込み、コースを後にした。
“強い信念を持って、自分を信じて練習をすれば活きてくる”とは、ハワイ出発当日に出席した成人式の場で、自らに立てていた誓い。この日は、その言葉を実践するかのように鬼気迫る雰囲気を醸していた。「去年のシーズン後半から練習量を増やせるようになってきた。そこを意識して、自分に厳しい練習をしなくてはいけない」。練習ラウンドでは、父の勝美氏の指示を受けながら、本戦さながらのピリピリムード。ドライバーからショートゲームまで、入念なチェックを黙々と重ねてゆく。
しかし、長時間に渡る練習を終えた後も表情に疲れの色は見られず、むしろ充実感さえ漂っていた。「体に疲れはないし、気がついたら時間が過ぎていた感じ。ボールを打てる体力がついてきたんだな、と思った」。ホールアウト後の石川は、心地よい疲労感に浸っていた。
開幕が間近に迫る中での猛練習も、今大会だけを見据えたものではないという。「調子が悪いとか今週のためではなくて、1、2ヵ月後に最高の状態に仕上げることが目標。良くなりかけている時期なので、なるべくたくさん練習がしたい」。だが、今週だけに目を向けても調子は上々の様子。「新しいスイングに取り組み始めてから時間は立っていないけど、自分のものになりつつある。ドライバーの振り抜けもいい」。長期的な取り組みが、早くも自信へと結びつつある。開幕前日となる明日11日はプロアマ戦への出場を予定。「明日も自分を追い込んでやっていきたい」。時間が許す限り、自分自身との戦いに挑む。(ハワイ州ホノルル/塚田達也)