2011年 全米オープン

ティグラウンドを前に!米国での新しい動きとは?

2011/06/16 13:07
道具の進化でコースの距離は伸びる一方だが、そのせいで取り残してしまった人も少なくは無い

米国ゴルフ連盟(The National Golf Federation)の調査によると、2010年の米国でのゴルフ人口は前年比2.2%マイナスとなり、2000年からの減少が続いている。その原因の一つと言われているのは、他のスポーツ競技が通常2、3時間以内に終わるのに対してゴルフは4時間を超える長丁場であるということ。これは、1ラウンドで多大な運動量を要求され、高齢者やジュニアゴルファーへの門戸を狭めていると指摘されている。

この減少に歯止めを掛けるべくさまざまな提案がなされており、今年に入ってからはジャック・ニクラスが12ホールでのプレーを企画し、実際にミュアフィールドとベアーズ・クラブでは、12ホールのスコアカードを作ってゲストに提供して好評を得ているという。

また、「全米オープン」開幕を翌日に控えた15日、会場ではUSGA(米国ゴルフ協会)の記者会見が行われたが、その冒頭でUSGAから新しいプロジェクトが紹介された。それは、「Tee it Forward(ティを前へ)」というもので、PGA of Americaの活動をUSGAがサポートする形で今年の5月から進められている。簡単にいうと、プレーヤーのレベルに合ったティグラウンドを使うことで、プレー時間を短くし、ゴルフをもっと楽しもう!という試みだ。

この活動にはニクラスも賛同しており、USGAおよびPGA of Americaの主導により、アメリカ全土でのプロモーションが予定されている。コース側にとってのメリットは、新たな設備投資がいらないということ。既にコースにはいくつかのティグラウンドが用意されており、どのティから打つかをその人のパフォーマンスによって変えようという意識改革を訴えているからだ。

確かに、総距離を短くしたり、ホールを少なくしたり、はたまた14本のクラブをより少ない本数にすることで、ゴルフをプレーするための敷居は下がり、子供からお年寄りまで、本当に幅広い年代でゴルフを楽しむことができるようになるだろう。米国ゴルフ界の、どん欲にゴルフの発展を追求する姿勢に頭が下がる。日本でも同じような試みが始まれば、また違ったプレーヤー層を獲得できることは間違いない。【メリーランド州ベセスダ/今岡涼太】

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