タイガー、「66」で優勝戦線に浮上!
初日を終えた時点で1アンダー、24位タイという順位だったタイガー・ウッズは午後1時48分に2日目をスタートした。2日目午後は気温が25度まで上がり、南西の風が吹くというコンディション。
タイガーはフロントナインで交互にバーディとボギーになるという出入りの激しいゴルフを展開。4つのバーディに対し3つのボギーと前半は1アンダー「35」でターン。タイガーはバックナインで5つのバーディを奪い「31」。この日のベストスコアには及ばなかったものの通算7アンダーは21人抜きの3位タイというポジションまで急上昇している。
「66」という素晴らしいスコアで回ったタイガーだが前半はうまく流れを掴むことができず苦労した。スタート2ホールでは連続でティショットを右のバンカーに入れてしまう。1番では2打目をフェアウェイに出すだけとなり3オン2パットのボギースタート。2番のパー5では3打目をグリーン奥にこぼしてしまったが、グリーン外からパターを使いうまくバーディを奪取した。続く3番ではティショットでグリーン近くまでボールを進めてくるもののリスクの高いロブショット(2打目)はボールの下をくぐってしまい失敗。このホールをボギーとしてしまう。その後6番ではグリーン左サイドにあるピンの根元にピタッとつけるショットを披露しバーディ。しかし7番では今大会2回目の3パットでボギーとしてしまう。右のピンに対して左奥からのパットを2メートル半オーバー。上りのパーパットは右にプッシュアウトとするようなストロークでカップの右を逸れていった。
この時点で通算イーブンパーだったタイガーは残りの11ホールで7つのバーディを奪う猛チャージを見せることになる。8番のパー5では2打目打ち上げとなる残り280ヤードから3番ウッドでフックボールで攻めてグリーン脇まで進めるショットを成功させる。ここからパット2回でしっかり収めてバーディ。9番はドライバーで左林ギリギリを狙っていく積極的なドローボールを打ちベストポジション。9番は手前から31歩、奥のエッジまでは4歩しかないという深いピンポジションだったが絶妙の2打目でピン下3メートルのバーディチャンスを迎える。このパットを入れて前半は4つのバーディを奪い通算2アンダーとした。
10番の2打目は高さを抑えたコントロールショットでピン横に寄せてくる。ここでは右からの風とグリーンの傾斜を使ってきた。13番のパー5では右の林から果敢に2オンを狙いグリーン左にボールを進めてきてバーディ。続く14番では残り154ヤードを高い球でピン下80cmで止めるショットで連続バーディを奪取。15番のパー5では2打目212ヤードを右からドローボール狙い。ボールはグリーン奥にこぼれてしまったが、ここからパット2回で無難に収めて今日8つめのバーディとする。そして最終ホールでは右の林すれすれのラフから8番アイアンで左から右に大きく曲がるスライスボールを繰り出してグリーンを捕らえた。66回目のストロークとなる下り4メートルパットは軽く右から左に曲がっていきカップの底に沈んだ。
プレー後のインタビューではタイガー2日目を振り返ってプレー振りを説明していたが、真っ先に今日の鍵となるプレーを挙げていたのは9個のバーディの話ではなく11番のパーパットだった。ここではティショットを大きく右に曲げてしまいトラブル。2打目はグリーン奥にどうにかオンしたものの13メートルのバーディパットは3.5メートルショートしてしまっていた。下りで左から右に曲がるパットでタイガーは全く頭を動かすことなく、緩みのないストロークでパターヘッドをコントロールしていた。
2日目はアイアンショットが優れていた。うまく結果は出なかったものの2月から語り続けていた球の高さのコントロールや右から左、左から右への曲がり幅のコントロールがうまくできていた。これまで練習場ではうまくできていても試合で失敗が多かったタイガー。マスターズという大舞台に焦点をあわせているという以前のコメントがあったが、このラウンドのように結果に繋がるとスイング改造が正しい方向に進んでいるという大きな自信になったことは間違いない。
明日は最終組の一つ前でスタートする。タイガーよりもスコアがいいロリー・マキロイとジェイソン・デイは2人ともタイガーがマスターズ初制覇となった1997年をテレビで見て刺激を受けた世代の選手だ。インタビューではタイガーは最終日残り9ホールで優勝争いのポジションにいるように相手を意識せずにプレーをすると語っていた。順位の入れ替わりが起きるムービングデイとなる明日3日目はどんなリーダーボードになっているのか?明日の天気は気温が29度まで上がるが午後3時頃から雷雨の可能性あり。風は西から吹くと予想されている。
★ラウンド データ
71-66 = 137(通算7アンダー)
2日目
66(6アンダー)
フロントナイン 35(1アンダー)
バックナイン 31(5アンダー)
・バーディ: 9ホール
・パー: 6ホール
・ボギー: 3ホール
・パー3: 通算1アンダー
・パー4: 通算1アンダー
・パー5: 通算4アンダー
・フェアウエーキープ率: 50.00% (14ホール中 7ホール)
・パーオン率: 77.77% (18ホール中 14ホール)
・合計パット数: 26パット
・ドライビングディスタンス 2ホール平均 302ヤード
アンディー和田
(ゴルフチャンネルトーナメント解説者)