T.ウッズが石川遼を絶賛「リョウのプレースタイルが好き」
今季の米国男子ツアー第13戦「アーノルド・パーマーインビテーショナル」は24日(木)から4日間、フロリダ州ベイヒルGC&ロッジで行われる。2年ぶりに同大会に出場するタイガー・ウッズが開幕前日の23日(水)、公式会見に出席し石川遼に強い関心を寄せた。
数十人のメディア関係者が集結するインタビュールーム。現地メディアからの最初の質問にウッズが反応した。「一人のファンとしてゴルフの試合を観戦に来たとき、あなたは若い選手の中で誰を見るか?」という質問にウッズは「僕はリョウを見に行く」と答えた。
ローリー・マキロイ(北アイルランド)、リッキー・ファウラー、マッテオ・マナッセロ(イタリア)ら各国の若手の台頭が著しい米国男子ツアー。彼らを差し置いて「僕は彼のプレーが好きなんだ」と挙げた名前は石川だった。
2人は2009年の「WGC アクセンチュアマッチプレー選手権」の舞台で初対面。その後、同年の「全英オープン」の予選ラウンドで初めて同組でラウンドし、「プレジデンツカップ」ではダブルスで直接対決。昨年11月には日本国内で行われたテレビマッチで対戦するなど、接触の機会が増えていた。
そんな経緯を踏み「彼のコースでの態度と、そしてパッティングストロークは本当に良いものがあると思う。実にピュアな(シンプルな、きれいな)打ち方をする。まだ10代にも関わらず、自分をコントロールする術が素晴らしい」と称賛した。
それを伝え聞いた石川は「本当ですか。すごくうれしいです。心の支えになります」と言いながらも、表情はキョトン。「僕はタイガーをお手本にしてパットもショットもやってきた」と不思議そうな目をした。
今季のウッズは特にグリーン上で苦しむ姿が目立つ。その尊敬するスターが自分の動作を讃えた。しかし当の19歳は「彼(ウッズ)のパッティングほどシンプルで無駄な部分が無いものはないように思える。背筋、ヘッドの動き、ボールの転がり、すべてが一番美しい」と言う。「インパクトの後、1秒くらい顔を上げないのはかなり勇気がいる。それはタイガーが先駆けだと思う。去年あたりから自分も取り入れた。一番すごいと思うのは、パターを代えないところ。最近は代えているらしいけれど、あくまで自分の中に入らない原因があると考えるのはすごい」と逆にウッズのへの賛辞の言葉はスラスラと口から飛び出した。
ウッズのインタビューシートに目を通すと、徐々に喜びが現実のものとなっていった。コースを後にする石川は、「永久保存です」と、そのシートを握りしめていた。