タイガー、3つのミスで逆転優勝には及ばず
第110回全米オープン選手権の最終日、タイガー・ウッズは5打差を追いかける3位からスタート。前日バックナインで5つのバーディを奪取して「66」のチャージを見せたタイガーは、ショットの精彩を欠きパッティングのスピード感もうまく合わず苦戦の一日になってしまう。前半は4つのボギーに対しバーディは僅か1ホールのみ。バックナインで期待されたチャージは不発に終わり2ボギー、1バーディのみ。タイガーの最終日は合計6ボギー(2バーディ)で「75」。通算イーブンパーでメジャー初制覇となったG.マクドウェル(北アイルランド)とは3打差の4位タイで競技を終了した。
前日も最初の3ホールで苦戦したタイガーは、今日もスタートダッシュに失敗。まず1番で2打目をグリーン奥につけてしまったタイガーは第1パットを大きくショートしてしまい3パットのボギースタート。苦手としている3番のティショットは3番ウッドで大きく左に曲がるティショットでトラブル。しかし林の中、深いラフうまくリカバリーを見せてパーセーブでここはピンチを切り抜ける。
チャンスホールといえる4番と6番ではバーディを逃がすどころか両方ともボギーとしてしまう。4番はティショットを左のバンカーに入れてしまったあと、グリーン手前から3パット。6番のパー5では3番ウッドでのティショットでいいショットを打つが風の方向の読み間違い。ボールは下り傾斜を転がり海岸までいってしまいボギー。最初の6ホールで3つのスコアを落としてしまったタイガーは7番で長いパットを沈めてバーディを奪う事に成功。しかしその後もトラブルは続き8番、10番、12番でもボギーを叩いてしまいこの時点で優勝の可能性は薄くなってくる。その後14番で3打目をうまく寄せて今日2個目のバーディを奪い残り4ホールに期待がかかったがバーディを奪うことはできず通算3オーバーでフィニッシュとなった。
最終日はこの4日間で一番難しいピンポジションに加えてグリーンの硬さ、速さが加わり選手の忍耐力を試す舞台となった。最終的には誰もアンダーパーを記録することができず、本当の勝者はペブルビーチのコースだったように感じた。タイガーはこの4日間でフェアウェイキープ率、パーオン率が一番低く厳しい一日だった。前日とは異なり下りのパットを残すことが多く、スピード感覚が鈍くなってしまったように思えた。途中からは追いかける立場で攻める気持ちが働きすぎてしまい、もったいないボギーに繋がってしまった。
プレー後のインタビューでタイガーは3つの大きな選択ミスを犯してしまったと説明した。(1)6番のティショットのクラブ選択。ここは風が右からと横風と判断して3番ウッドを使ったが実際はフォローの風だったので2番アイアンが正しいクラブだったと思う。
(2)10番ホールのセカンドショット。ここはキャディのスティービーがピンに向かって攻めていこうとアドバイスがあり狙ってしまった。最初はピンの左サイドでいいと思っていたがやはり狙ってはいけないピンだったと後悔している。
(3)12番のティショットのクラブ選択。5番アイアンでピンの右サイドを狙うことを考えていたが最終的に4番アイアンで軽いフェードで狙ってミスショットを犯してしまった。
4日間を振り返るとタイガーは「またプレーがしっかりできる感じが戻ってきた。ボールコントロールも良くなっている。自分自身が練習を重ねていることがうまく実践できている。」と語った。次なるメジャー戦となる全英オープンは25日後に控えている。タイガーは2週間後にAT&Tナショナルに出場する可能性があるが、ここで優勝してセントアンドリュースで開催の全英オープン150周年記念大会に勢いをつけて望んでもらいたい。
★ラウンドデータ
・スコア:75(38ー37)4オーバー
通算74-72-66-75(3オーバー)
・バーディ:2ホール
・パー:10ホール
・ボギー:6ホール
・パー3:イーブンパー
・パー4:3オーバー
・パー5:イーブンパー
・フェアウェイキープ率:57.14%(14ホール中8ホール)
・パーオン率:50%(18ホール中9ホール)
・バンカーセーブ率:100%(1トライ1回セーブ)
・合計パット数:31パット