2010年 マスターズ

好発進のタイガー「普段の気持ちだった」

2010/04/09 13:23
ホールアウト後の公式会見に笑顔で臨んだタイガ・ウッズ(Andrew Redington /Getty Images)

昨年11月以来、144日振りにトーナメントに復帰したタイガー・ウッズは「マスターズ」初日、パー5での2イーグルを含む4アンダー「68」という好スコアで競技をスタート。不倫騒動で実戦から離れていたタイガーは午後1時42分にティオフ。世界中の注目を集めた復帰後初のティショットは、左から右に曲がるフェードボールでフェアウェイをとらえることができた。

前半は3番でバーディを奪ったあと7番でティショットを左に曲げてボギー。打ち上げの8番パー5では2打目をグリーン右からのマウンドをうまく使ってイーグル。続く9番では、左の林の中からピンまで残り207ヤードというとても難しい状況からミラクルショットを放ち、ピン奥4メートルにボールを止めてバーディを奪うことに成功した。後半にターンしてからは10番と14番でボギーにしてしまったが、13番(パー5)で2オン2パットのバーディ。 15番パー5では191ヤードの2打目をぴたりとつけ、「マスターズ」で自身初となる1日2個のイーグルを記録した。

午前は強風、午後になってからは雷雨の予報もあり大会初日のコースセッティングは比較的易しかった。ピンの位置にいつものような厳しさはなく、ティの位置も前方に出ていたホールが多く31名の選手がアンダーパーを記録していた。タイガーは契約先のナイキの最新ドライバー(VR)に、これまでトーナメントでは試したことのない日本製のシャフト(グラファイトデザイン ツアーAD DI)をうまく操り、左から右に曲がるフェードボールを多用してボールをフェアウェイに置くことに成功していた。 昨年11月末、オーストラリアで行われた欧州ツアー「JBウェアーマスターズ」の時よりもダウンスイングからインパクトにかけて左の脇をしっかり締めて肩をレベルターンすることができていた。タイガーの悪い癖はダウンスイングで右肩が落ちて頭も下がってしまうこと。大会初日は11番のティショットでタイミングが崩れて右にプッシュアウトするミスがあった。

プレー後にタイガー・ウッズはテレビの生インタビューと、メディアセンターでの公式記者会見で質問に答えた。

(プレーについて)
とてもいい感触でした。ラウンドのリズムを感じることができて自分のゴルフをすることができました。

(1番ティではどんな気持ちでしたか?)
普段の気分でした。1番ホールではフェードボールを打つつもりだったので、狙いを左サイドにして打つだけでした。他のスタートと同じで特別なことはありませんでした。

(リーダーボード1枚目、上位にいるということはあなた自身驚きがありますか?)
少しはそんな気持ちがあります。2つぐらいアンダーパーになればいいスタートだと考えていましたが、他の選手も今日はスコアを伸ばしているようですね。

(パッティングについて)
スピード感は良かったです。少しフォロースルーがインサイドに動いているようです。引っかかってしまうか、またはボールをカット気味に打つことが多かったです。パターの先の部分をリリースすることができるように心掛けます。

大会2日目は第15組、午前10時35分にスタートする。2日目は雨の予報はなく、北西からの風が吹くことになるという。ピンの位置やティの場所は初日よりもタフなセッティングになると、攻めるゴルフよりもボギーを最小限に抑えるゲームプランが有効になるはずだ。

★ラウンド データ
・スコア: 68(33-35) 4アンダー
・フェアウェイキープ率: 64.29% (14ホール中 9ホール)
・パーオン率: 77.78% (18ホール中 14ホール)
・合計パット数: 31パット
・イーグル: 2ホール
・バーディ: 3ホール
・パー: 10ホール
・ボギー: 3ホール
・パー3: 通算イーブンパー
・パー4: 通算1オーバー
・パー5: 通算5アンダー

アンディー和田
(ゴルフチャンネル トーナメント解説者)

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