2026年 全米プロゴルフ選手権

チームに欠かせない母と全米プロとの縁 大混戦の首位アレックス・スモーリーって誰だ

2026/05/17 11:45
ツアー未勝利の29歳が世界一のプロを決める大舞台で首位に立った(Maddie Meyer/PGA of America)

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 3日目(16日)◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇7394yd(パー70)

今季のメジャー第2戦は史上まれにみる大混戦で最終日を迎える。首位と2打差の2位にジョン・ラーム(スペイン)ら5人。3打差7位にロリー・マキロイ(北アイルランド)ら4人。4打差11位に松山英樹を含む12人がひしめく。彼らに背中を見せている唯一の存在が、通算6アンダーで単独トップに立つアレックス・スモーリー。まだツアーで優勝経験がない29歳だ。

緊張感見せないプレーで堂々の68(Maddie Meyer/PGA of America)

ニューヨーク州ロチェスター出身で10歳頃からゴルフに本格的に打ち込んだ。デューク大を経て2019年にプロ転向。PGAツアーの3部に相当する当時のカナダツアーでキャリアをスタートさせ、2部のコーンフェリーツアーを21年に卒業した。5年目の今季、4月のダブルス戦「チューリッヒクラシック」で2位に入り、直近2試合のシグニチャーイベント(昇格大会)に出場して7位、17位の成績を収めてきた。ちなみに、2022年の「ZOZOチャンピオンシップ」、昨年の「ベイカレントCレクサス」で来日している。

ツアーでの優勝はまだない。今大会はただ一人、3ラウンドすべて60台をマーク。ムービングデーは序盤4番までに3ボギー。6番で5mのパーパットを沈めて「落ち着きを取り戻せた」という。最終18番で4mのパットを沈めて7バーディ、5ボギー「68」。「プレッシャーがかかったかと言えば…よく分からない」と淡々と振り返った。

両親は大事なチームメンバー(Darren Carroll/PGA of America)

この日の朝、ノースカロライナ州グリーンズボロの自宅から飛んできたのは父だった。普段は母と遠征。スモーリーが普段、メモに書き込んだショットの残り距離やクラブ、パットのラインなどの情報をデータとして収集し、統計をコーチに送る役目を担ってくれているという。「試合中にプレーの動画も撮影してくれる」とチームにも欠かせない一員だ。

「プロゴルファーなら誰しも若い頃にPGAツアーで優勝する夢を持つ。あした、自分にそのチャンスがあると認識している。それも(メジャーという)はるかに大きい舞台で」と目を輝かせつつ、普段通りプレーすることを誓った。

今大会唯一3ラウンド全て60台でプレー(Darren Carroll/PGA of America)

全米プロの勝者が手にする大きな優勝杯、ワナメーカートロフィーは1916年の初回大会をサポートしたビジネスマン、ロッドマン・ワナメーカー氏にちなんで今もそう呼ばれている。「僕は大学生のときに3年間、“ワナメーカー寮”というところに住んでいた。プロになる前から、両親と冗談交じりに『いつか優勝するかも』なんて話していたんだ」と笑う。過去15回の本大会優勝者のうち、昨年までの直近3年を含む10人が最終日の逃げ切りに成功。運命的な縁となるか。(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア/桂川洋一)

2026年 全米プロゴルフ選手権