5年ぶりメジャー制覇へ “らしさ”全開・松山英樹「悪すぎてあきらめている」
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(15日)◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇7394yd(パー70)
午前6時過ぎにパッティング練習を開始した松山英樹は、キャップの上からニット帽をかぶった。首元にネックウォーマーも装着し、厳しい寒さに耐えながらウォームアップ。時折、両肩を強張らせるようにして体温を保った。7時半過ぎのスタート直後から、ガマンの対象は強風とグリーンに移行。パターで懸命にパーを拾う展開が待っていた。
冷たい風が吹き荒れ、序盤から10m以上のバーディパットを残すシーンが続いた。383ydと距離の短い前半13番、1Wでフェアウェイをとらえた後、ウェッジで90ydほどの2打目がピンを大きくオーバー。ため息をついた後、7mのパットがカップに消えた。
難コンディションでバーディが先行した後も、忍耐強さが際立った。14番で2.5mのパーパットをねじ込み、16番(パー5)もバンカーショットを経てほぼ同じ距離を沈めてボギーを免れた。3番で残り84ydからLWでピン奥2mをとらえ、ようやく“らしい”バーディを奪うと、7Iでティショットを放った5番(パー3)は左からの下り傾斜を使ってピンそば1mにつけた。
フェアウェイキープ率は初日と同じ57.14%(8/14)でも、後半にかけて少しずつ定まってきた印象を持たせた。「良くなっているのかは分からない」と固いままだった表情が和らいだのは終盤7番。6mのバーディパットがフックラインを伝い、カップの右奥から最後のひと転がりで沈んだ。「ああいう入り方は珍しい。うれしかった」とひざを折り、歓声に応えるように笑顔とガッツポーズを作った。
イーブンパー34位から4バーディ、1ボギーの「67」で通算3アンダー。ハイスコアの争いで、ホールアウトしたときにはトップに並び、終わってみれば首位と1打差3位グループにいる。例によって、自己評価は厳しい。「ゴルフの状態が悪すぎてあきらめている。だから、うまくいっているんじゃないですかね」と憮然とした。同伴競技者のプレーを待つ間にスイングを確認するシーンが多く、「もう少しフェアウェイに行きたい。気持ちよく打てたら、もう少しチャンスというか、ストレスがないゴルフができると思うんですけど…」と嘆き節。会見で発せられた、スコアと“比例”しないコメント内容については海外の記者も慣れっこだ。
昨年、予選落ちしたシーズンのメジャー第2戦。絶好のポジションで決勝ラウンドに進む。週末に「やっぱり、嫌でも気合いは入る」ことを松山は分かっている。「そういうのもコントロールしながらプレーしたい。ゴルフが良い状態になればそういうものうまくいくとは思うんですけどね。悪い状態で、気合いが入っても空回りするだけ。状態を見ながらプレーしたい」。2021年「マスターズ」以来、5年ぶりのメジャー制覇へ。準備を加速させる。(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア/桂川洋一)