“最大の武器”で苦しんだ15回目のオーガスタ 松山英樹「満足できるものとできないもの半々」
◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(12日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7565yd(パー72)
松山英樹にとって15回目の「マスターズ」を締めくくる72ホール目の最終18番は、ことしの大会を象徴するホールと言えた。フェアウェイバンカーからの2打目をグリーン左に外し、低い球出しで手前の土手を使おうとしたアプローチをミス。ボールが力なく戻り、違う番手でキャリーを出すチッピングに切り替えた。2.5mのボギーパットを何とか沈めるフィニッシュに「ボギーで上がれて、来年に向けてまた頑張りたいなっていう気分になれたんで、良かったなと思います」という言葉が全てではないはず。アプローチの苦戦、随所でパッティングの踏ん張りが同居する4日間だった。
9打差29位から「前半で4、5個(バーディを)獲れれば」とチャージを狙って出た。1番で6m近い距離を決め切ると、3番も砲台グリーン手前の急傾斜でクッションを利かせたアプローチがピンそばにピタリ。3ホールで2つ伸ばし、4番(パー3)もカップをかすめるようなアイアンショットを見せ、奥のカラーからパターを握った7mのトライも入りかけた。
集中力が研ぎ澄まされていく雰囲気を存分に発しただけに、5番からの2連続ボギーが悔やまれる。前日はフェードを打ってフェアウェイを捉え、バーディにつなげていた難関ホールで選択したドローボールが今週3度目となるフェアウェイバンカーにつかまった。グリーン奥にこぼした6番(パー3)も、アプローチが4m近くオーバーしてしのげなかった。「4番から5、6、7(番)のプレーじゃ、ちょっと厳しいですよね」。1Wショットを左に大きくミスした7番も、ガードバンカーから傾斜を使う妙技でナイスパーを拾うのが精いっぱいだった。
サンデーバックナインで4バーディを奪った後の上がり2連続ボギーで「69」。通算5アンダーで順位こそ12位に上げたが、トップ10も見える巻き返しだっただけに「最後の2ホールは特に悔しい」と唇をかむ。今季PGAツアーでスクランブリング率1位(73.68%)を記録していたアプローチの名手が寄せ切れず、パッティングに負荷をかけるシーンも4日間を通して散見された。マスターズで自己最多のトータル21バーディを重ねても、優勝争いが遠かった。
5年ぶりのグリーンジャケットを目指して準備を重ねてきた戦いは、最終組がハーフターンをするよりもかなり早いタイミングでひとまず終わった。「満足できるものとできないものがね、半々って感じ。やってきたことが間違ってなかったっていうところも得られた部分としてありますし、完全なる間違いだったっていうところも両方あったんで。ただ、4日間通じて、そこまで大きくスイングとか打ち方を変えずにできたっていうのはプラスかなと思います」
ショートゲームの課題、ショット面の収穫は、「キャデラック選手権」(30日~/フロリダ州トランプナショナルドラール ブルーモンスター)での復帰が見込まれる今シーズンの戦いだけを念頭に置いたものではない。「来年につなげていけるように、優勝争いできるように頑張りたい」。視線の先にはやはり2027年、16度目のマスターズがある。(ジョージア州オーガスタ/亀山泰宏)