2025年 フェデックスセントジュード選手権

たった3分間の中断のナゼ 物流王をしのぶフライオーバー

2025年 フェデックスセントジュード選手権 3日目 フェデックスの貨物機
午後3時にTPCサウスウィンドの上空に登場したフェデックス社の貨物機

◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 3日目(9日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288yd(パー70)

松山英樹の第3ラウンドの最終9番、4打目をグリーンにのせたところで、コースにはホーンが鳴り響いた。おいおい、こんなところで中断かよ、あと1打でホールアウトできるのに…。きのうに続いてコースに雷雲が近づいたかと思いきや、頭上は真っ青。上空に突如現れたのは紫色のデザインが入ったジャンボジェット機だった。

試合中の“フライオーバー”は航空貨物輸送大手フェデックスグループのおひざ元、メンフィスでの恒例行事だが、ことしは意味合いが大きく違う。創業者のフレドリック・ウォレス・スミス氏が6月に死去(享年80)。本大会だけでなく、PGAツアーの年間ポイントレース(フェデックスカップ)の創設にも寄与した前CEOへの哀悼の意を表す時間になった。

2025年 フェデックスセントジュード選手権 3日目 フェデックスの貨物機
創業者のイニシャル入り

イニシャルの「FWS」が刻まれたジェット機は、ときに機体を斜めに傾けるアクションを繰り出しながらTPCサウスウィンドの上を旋回。選手たちのプレーは約3分中断され、多くの人が黙とうささげて故人をしのんだ。

1944年にミシシッピ州で生まれたスミス氏は4歳の時に実業家の父を亡くし、母とおじに育てられた。高校までメンフィスで過ごし、イェール大時代に現在の貨物機による翌日配送サービスを発案。計画を記した論文は教授にまったく評価されなかったが、卒業後に海兵隊で活躍してから、71年に同社を立ち上げた。

2025年 フェデックスセントジュード選手権 3日目 松山英樹
松山英樹もボギーパットの前に飛行機を見上げる

私財をなげうって飛び込んだビジネスの世界。創業当初、貨物機の燃料費を捻出できずに倒産のピンチに追い込まれたスミス氏は、ギャンブルに窮地を救われたという逸話が残る。大ピンチのなかラスベガスに向かい、口座の預金残高をそっくりブラックジャックに突っ込んで大当たり。会社はその後、見事に息を吹き返したという…。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)

2025年 フェデックスセントジュード選手権 3日目 フェデックスの貨物機
飛行機好きのカメラマンによると、「ボーイング 777-F」という機体だそう。知らんわ
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