松山英樹ですら… 2打目は「ほぼロングアイアン」で2オーバー自賛
◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 初日(13日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)
今季21ラウンド目で記録した3回目のオーバーパーにも表情は暗くなかった。松山英樹は「もったいないところもありましたけど、よく耐えた」と珍しく自分に及第点を付けた。雨と風、凍える寒さに包まれてマークした「74」は、出場72人の平均スコア「74.27」を下回る。2オーバーでも単独首位とは6打差の25位で滑り出せた。
出だし1番の1Wショットは右サイドへ。雨水をたっぷり吸ったラフからの脱出は困難で、2打目も右に曲がりボギーが先行。続く2番、6mのバーディパットがカップ際で右にそれてバウンスバックを逃した後は、ショートゲームの高い技術で持ちこたえた。
左サイドに太平洋を望む4番で花道から残り52ydの3打目をピン左1mにピタリ。5番はガードバンカーからバックスピンで寄せて喝采を浴びた。6番(パー5)で8mを沈めて最初のバーディ。2mのパーパットを残した7番もしのいだ。
1月のロサンゼルス山火事の影響で、会場は近郊のリビエラCCから変更。1月に「ファーマーズインシュランスオープン」が行われた同じカリフォルニア州南部のトリーパインズGCに帰ってきた。
季節は春に近づきながら、32位で終えた同大会と「気温も変わらない。雨風なのでもっとひどくなっている」というコンディションで、後半はアイアンでの第1打を右に曲げた2つのパー3(11番、17番)を含む3ホールでボギーをたたいた。同組のスコッティ・シェフラー、コリン・モリカワを追って最終18番で会心の一打。追い風を受けた1Wショットは329yd先のフェアウェイど真ん中へ。5Wによる2オンから2パットバーディで締めくくり、「ティショットが良かったので、あしたに向けた良い材料になる」と納得した。
スコアカード上で7765ydという当初の設定はこの日、多くのホールでティが前に出て数字上は短くなったが、体感距離は長いまま。パーで終えた12番では右ラフからの2打目が5Wで109ydしか前に進めなかった。「2番と17番以外は(2打目以降が)ほぼロングアイアン(より長い番手)。7番アイアン以下を打っていない」という言葉がタフな一日を物語る。
シーズンで8試合のシグニチャーイベント(昇格大会)のうち、招待試合である本大会と3月「アーノルド・パーマー招待」、5月「ザ・メモリアルトーナメント」は予選カットがある。決勝ラウンドへまずは50位タイのボーダーライン、もしくは首位と10打差以内をキープする必要がある。「できるだけスコアを伸ばせるように。天気がどうなるか分からないですけど」。天候は週末にかけて回復傾向。ディフェンディングチャンピオンとしての務めを果たす。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)
