「立ちづらいホール」はいまや11に 松山英樹と連覇コースの相性
◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(4日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
優勝した2016年、17年大会は「パットがそこそこ入ったという感じで、あまり覚えていない」のが正直なところだ。松山英樹の目には映るTPCスコッツデールは、連覇に成功した当時とは違う。左手痛で棄権した18年以降、最高順位は22年の8位と、冷静に見ればタイトルは近年遠くなった。
実際のところ、松山本人も「コースとの相性も変わって、立ちづらいホールもある。グリーン上もそう」と変化が生まれたことを認める。ティイングエリアで顔をしかめたくなるロケーションのホールを「2番、5番、6番…」と列挙。それでは終わらず「8番、9番、10番、11番、13番、15番、17番、18番」を追加。その数、なんと11ホールに上る。
「昔も何ホールかはありましたけど、全然(多くなかった)。精度が悪いってことです」。ここ数年は度重なる故障と付き合いながら、飛距離アップをあきらめずスイングを何度も再構築してきた。昨年プレーオフでぶつかったニック・テイラー(カナダ)とチャーリー・ホフマンは通算21アンダーで72ホールを完了。ロースコアの争いに挑むための正確性を松山は発揮できていない。
開幕を2日後に控えたこの日は、久常涼とアウト9ホールをチェックした。「ファーマーズインシュランスオープン」から続く4連戦の3戦目。先週の「AT&Tペブルビーチプロアマ」で深いラフからショットを打った際、両手首に痛みが走ったという。「(ティショットが)よく曲がるから…」と自虐的にこぼした後、「まあ大丈夫。元気です。やる気満々」と気丈に言った。
肝心の精度を高めるべく、練習中はアドレスに入るたびに、前傾姿勢を保ったまま背筋を伸ばす仕草を繰り返した。ドライビングレンジでは独特の調整も。スタッフの協力で、普段は地面に置く2本のアライメントスティックで頭を挟んでもらいながらバックスイング。上半身の重心を安定させるような動きを反復した。
PGAツアー公式サイトの優勝予想では23年まで2連覇した世界ランク1位のスコッティ・シェフラーに続いて2番目。下馬評は依然として高い。ディフェンディングチャンピオンのテイラー、先週復帰のジョーダン・スピースとの予選ラウンドの3サムも、もちろん注目度の高さの表れだ。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)