アジアで強いジャスティン・トーマス「とにかく勝ちたい」
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 2日目(25日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70)
苦しむ松山英樹の隣で、ジャスティン・トーマスもまた「ガマンをし続けた」。ノーボギーでマークした「64」は前半の忍耐の賜物。4アンダーの7位から通算10アンダーにスコアを伸ばし、首位に2打差の2位につけて大会を折り返した。
フェードヒッターのトーマスにとって、「左ドッグレッグはあまり好きではない」ホール。最終18番(パー5)はまさにそうだからこそ、ティショットがうまくいけば勢いづく。この日は1Wでフェアウェイ右サイドをキープ。残り214ydから5Iで放った2打目はピンそば1.5mに付いた。
3バーディを奪ったバックナインをイーグルで締めくくり、リーダーボードの上位へ。「正直言うと、調子はきのうとさほど変わらなかった。ウェッジやショートアイアンは本調子ではなく、きょうはいくつかナイスパットがあった」という一日を最高の形で終えた。
2022年のメジャー「全米プロ」での通算15勝目を最後に、PGAツアーのタイトルがない。プレーオフシリーズ進出を逃した昨季を経て、今シーズンはポイントランキング上位30人による最終戦「ツアー選手権」に舞い戻った。輝かしいキャリアの初勝利は2015年にマレーシアで行われた「CIMBクラシック」。同大会では連覇を達成し、17年と19年には韓国での「CJカップ」も勝った。アジアでは無類の強さを誇る選手の一人だ。
ZOZOチャンピオンシップでは前回出場した2020年に2位に入ったが、当時はコロナ禍で米カリフォルニア州での開催だった。「どんな試合でも、とにかく勝ちたいんだ。物事がうまくいっているときは、たくさん勝てるものだけれど、そうもいかないのがこのスポーツの現実。ツアーは僕が登場したとき以上に、選手層が厚くなっている。みんな恐れを知らず、勝つことに飢えている」。相性の良いアジアンゲームに、完全復活の証を刻む。(千葉県印西市/桂川洋一)