2024年 プレジデンツカップ

「ゴルフをやめたいくらい」の失意から 松山英樹は最強シェフラーを破る

2024/09/30 11:12
松山英樹はシングルスでシェフラーを破った

◇米国選抜VS世界選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 最終日(29日)◇ロイヤルモントリオールGC(カナダ)◇7279yd(パー70)

激闘をたたえ合う握手の後、最後に笑みがこぼれた。最終日のシングルスマッチで実現した両軍のエース対決。世界選抜はチームで敗れたものの、松山英樹は米国のスコッティ・シェフラーを1UPで下して一矢を報いた。

1番でシェフラーにバンカーからの3打目をカップにぶち込まれ、いきなりビハインドを負った。相手は今季「マスターズ」を含む7勝を挙げ、「パリ五輪」で金メダルも獲得したPGAツアーの年間王者。チームで最高位、世界ランキング7位の松山でも「ボコボコにされる可能性もあった」と苦戦は覚悟の上だった。

17番で松山のティショットがピンについたのを見て喜ぶ世界選抜副キャプテンの丸山茂樹

ティショットをピン右1mにつけた7番(パー3)で追いついてから、一進一退の展開になった。「我慢すればチャンスはある」。14番で4mのバーディパットを沈めて再びタイに持ち込むと、両手を挙げてスタンドのファンをあおり、15番で2連続バーディを決めて1UP。3パットを喫した16番でリードを失いながら、直後の17番(パー3)、ピン右1.5mにつけるスーパーショットが相手の3パットボギーを呼び込み、土壇場でリードした。

ウィニングパットは18番、1mのパーパット。「(パリ)オリンピックの時も手が震えていたけれど、あのパットも手が震えて緊張しました」と、“ここぞ”の場面で精神力の強さを発揮し、白星を手にした。

世界選抜の第一人者として一矢報いた

前日3日目、午後のフォアサム(1つのボールを交互に打ち合い、1ホールごとのスコアを競う)では3&2で悔しい逆転負け。ラッセル・ヘンリーとコンビを組んだシェフラーを相手に、松山はパッティングに苦しんで、イム・ソンジェ(韓国)の足を引っ張る格好になった。「(ダブルスの)3敗は全て僕のせい」と責任を背負い込み、「きのう終わった時点ではゴルフをやめたいくらい、すごく嫌な気持ちだった」と明かす。

チームが劣勢で迎えたこの日、「(気持ちを)切り替えて、きょうスタートする時にはもう『絶対に勝ってやる』という気持ちでやっていた」と奮起。コンシードも含めて8バーディの猛攻で、最後にエースとしての意地を見せた。

2024年 プレジデンツカップ