松山英樹はパットで取りこぼしも「68」 プレーオフ最終ラウンドへ
◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 3日目(31日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7490yd(パー71)
「……っ!」。ボールが止まったポジションを見て、松山英樹は思わず吐き捨てた。左ラフからアイアンで放った前半4番の2打目はグリーンに弾かれ、向こうサイドのバンカーへ。それも奥側のカベに張り付いていた。激しい左足下がりのライから脱出に2打かかり、2m近いパットを沈めてなんとかボギー。トラブルから後退を最小限に抑えて息を吐いた。
前日3連続ボギーのきっかけとなったホールで訪れた不運に、この日は負けなかった。続く5番でピン奥2mのチャンスを生かし、6番(パー5)では花道から3打目をピンそば1mにピタリ。奥に向かって下る面に対し、ウェッジで浮かせて寄せたシーンに同伴競技者のルドビグ・オーベリ(スウェーデン)もうなる。後半12番では手前から3m弱のパットを決めて3つ目のバーディを奪った。
初日、2日目にそれぞれフェアウェイキープ率50%(7/14)と苦しんだティショットは、78.57%(11/14)と大幅に改善。2打目以降でチャンスを多く作った反面、パットを決めきれなかったシーンもあった。後半10番、11番と5m前後を外し、14番(パー5)では3mを、15番(パー3)は2mを入れられずにガックリ肩を落とした。
最終18番(パー5)でグリーン右手前から40yd近いバンカーショットを寄せ、早藤将太キャディと3m弱を読み込んでバーディフィニッシュ。4バーディ、1ボギーの「68」で3日間では自己ベストスコアをマークし、通算12アンダー9位で終えた。
首位のスコッティ・シェフラーとの差は14打。年間王者のタイトル獲得は絶望的といえる状況に。1Wの調整に忙しかった前日のホールアウト後とは違い、この日は体を重そうにして帰りの車へすぐに乗りこんだ。1日(日)はプレーオフシリーズの最終ラウンド。シーズン11年目のひとつの節目の18ホールになる。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)