2024年 ツアー選手権

「善し悪しがある」プレーオフのシステム 三度目の正直狙うシェフラーの考え

2024/08/28 12:53
圧巻のシーズンを送るスコッティ・シェフラー。初の年間タイトル獲得なるか ※撮影は2024年「全米オープン」

◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 事前情報(27日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7490yd(パー71)

今シーズン、4月の「マスターズ」を含む6勝を挙げたスコッティ・シェフラーは年間ポイントレース(フェデックスカップ)で他を圧倒して最終戦を迎えた。2位のザンダー・シャウフェレには1193pt差。3位・松山英樹との差2716ptは、松山とランク49位のニック・ダンラップとのポイント差よりも大きい。

しかし、プレーオフシリーズ第2戦終了までにどれだけ差を付けようが、スタート時のスコア差があくまでランキング(順位)に応じて設けられるのが最終戦の現行ルール。規定通り、2位とは2打差、3位とは3打差の10アンダー首位からティオフする。

シェフラーにとってはこれが“三度目の正直”を実現する4日間だ。昨年、一昨年といずれも最終戦をランクトップで迎え、それぞれロリー・マキロイ(北アイルランド)、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)に逆転負けした。「2位で最終戦を迎えたかった? いやいや、ありえない。逆手の立場も経験したが、追いかけるよりも、リードしてスタートしたほうが良いに決まっている」と苦笑いしたが、現在の年間王者の決定方法に首をひねる部分もある。

「個人的には古いフォーマットは問題なかったように思う。ツアー選手権の優勝者とフェデックスカップの勝者(年間王者)が違っても、気にならなかった」。フェデックスカップが始まった2007年から18年まで、ツアー選手権は大会自体の優勝者と、ポイントレースを制した年間王者がそれぞれ決まる仕組みだった(同一の場合もある)。リアルタイムでは、ポイント制で決まる年間王者の行方が分かりにくいという意見があり、19年から現行の制度に。出場30人全員にその年の最高の栄誉を得られるチャンスが膨らんだ。

長いシーズンの王者を決める試合の重要性を、最終戦があまりに多く占めているという見方。「キーガン・ブラッドリーが良い例だと思う。プレーオフは最高のシーズンを過ごしてきたとは言えない選手が、突然ベストシーズンにできる場所だ」。先週の第2戦「BMW選手権」の直前までブラッドリーはポイントランク50位。優勝して4位に浮上し今大会に入った。

その反面、シェフラーは「ネガティブな面もある」と指摘。「ウィル・ザラトリスは数年前(22年)にシリーズ初戦で勝ったのに、ケガをしたためにイーストレイクでプレーできず、フェデックスカップを30位で終わってしまった」。ザラトリスは当時3位で最終戦を迎えていた。

「このフォーマットにはそういった善し悪しがある。しかしながら、そういうものになっている」。お金を出すスポンサーの意向には沿うつもり。今度こそ、文句なしの王者の座につけるか。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)

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