2024年 BMW選手権

松山英樹は“エース”復帰も優勝キャディ帯同 通算10勝の夜はカップ焼きそば

2024/08/21 12:36
松山英樹(右)は早藤将太キャディ(中)、田渕大賀キャディとコースをチェック

◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 事前情報(20日)◇キャッスルパインズGC(コロラド州)◇8130yd(パー72)

「フェデックスセントジュード選手権」でPGAツアー通算10勝目を挙げた夜、松山英樹はプライベートジェットでプレーオフ第2戦の地へ飛んだ。コロラド州デンバーの宿舎に先に到着していた早藤将太キャディと「パリ五輪」以来の合流。祝勝会は実に質素だった。

10年ぶりにツアーの大会が開催される当地には馴染みの店もなく、飲食店は日曜日の夜とあって閉店が早かった。結局ホテルで販売されていたわずかなワインで乾杯。“非常食”として遠征の自動車に積んであるカップ焼きそばをペロリ。賞金360万ドル(約5億3200万円)を獲得した後に口にしたのは「一平ちゃん」(松山)。年間王者へのポストシーズンはあと2戦。連戦中に気を抜くわけにもいかない。

キャッスルパインズGCで開幕2日前にコースチェック

今大会の会場キャッスルパインズGCでは「ジ・インターナショナル」が2006年まで開催された。ほとんどの選手にとって初見のコースに松山は20日(火)に来場。午後からアウト9ホールをチェックした。残りのインコースは21日(水)のプロアマ戦で確認する。

2人のキャディは早朝から18ホールを確認していた

松山よりも早くコース入りしてチェックを開始したのが、五輪の後に経由地の英国ロンドンでパスポートを盗まれた早藤キャディ。わずかな一時帰国のあいだに再発行、ビザも再発給され、第2戦に間に合った。さらに先週、緊急登板して勝利をアシストした田渕大賀キャディもデンバーに帯同。19日(月)、20日(火)の両日午前中に一緒に18ホールずつ歩き、2人がかりで情報を集めた。

エースキャディの復帰により帰国の途につくはずだった田渕キャディに対し、松山は「残ってもまったく構わない」と前週末に伝えていたという。

「(早藤キャディの復帰が決まる前から)大賀はこの週も予定を空けてくれていた。ここからすぐに日本に帰るよりも、チームの中にいることで分かることがあるかもしれない。将太とはコースチェックの仕方も違うだろうし」。11年にわたって過ごしてきたPGAツアーのあらゆる経験は後人に惜しみなく伝えていく。(コロラド州キャッスルロック/桂川洋一)

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