2024年 パリ五輪

東京五輪のリベンジ“じゃなかった” 松山英樹が語っていたメダルへの思い

2024/08/05 01:19
松山英樹は東京五輪で届かなかった銅メダルをパリで手に入れた

◇パリ五輪 男子 最終日(4日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71)

松山英樹は開幕前週の27日(土)にル・ゴルフ・ナショナルでの調整をスタートした。朝の練習場に“ライバル”は一人もおらず、練習用のボールもまだ各メーカーがそろっていない状態。大会側の想定を上回る始動の早さと言えた。何より重きを置いてきたメジャーをほうふつさせる直前の練習風景は、メダル獲得への思いにほかならなかった。

3年前の「東京五輪」では銅メダルを懸けたプレーオフで惜敗。7月29日に大会前の公式会見で「自分の国で、プレーオフで負けてしまって、メダルを獲れなかった悔しさは今でも覚えている」と言ったが、そのリベンジへの思いがメダルを欲する理由ではないことを強調もしていた。

「その時の悔しさは当然ありますけど、だからと言って、それをいつまでも考えているようじゃ、プロゴルファーとしてやっていけないと思う。毎週毎週(次の)戦いがあると思いますし、その度にずっとそういう(負けたことを引きずるような)気持ちでいたら、もう、ゴルフをやめてると思うんで。メダルに対しての思いっていうのは、ほかの競技を見ていてすごく感じるところはあります」

日本ゴルフ界の第一人者がまた歴史を一つ切り開いた

雪辱のチャンスとして今週を迎えるのではなく、あくまでこのパリでメダルを勝ち取りたいという純粋なモチベーション。「今年仲良くなった人が、残念ながらオリンピックでプレーできなくなった。その人の姿を見ていると、オリンピックでプレーすることの特別さを理解した…いや、し切れてはいないと思うんですけど、すごいことなんだなと改めて思ったので、出られなくなった人たちの分も、しっかり頑張っていきたいなと思います」。3年前の自分ではなく、この舞台を目指して夢破れた“仲間”の思いを背負って戦っていた。

連日できる限りの調整を重ね、必死にスコアをまとめ、並み居る強豪たちと渡り合って日本男子ゴルフ界にもたらした初めてのメダル。第一人者がまた、ひとつ歴史を切り開いた。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)

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