2024年 パリ五輪

“制御不能”でも金メダルへ3打差 松山英樹「何とかチャンスある位置で終われた」

2024/08/04 01:35
松山英樹は苦しみながら首位と3打差に踏みとどまって最終日へ

◇パリ五輪 男子 3日目(3日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71)

3日目を終えて引き揚げてきた松山英樹は、日本代表の丸山茂樹監督に「制御不能でした」と話したという。それほど苦しかった18ホールをパープレー「71」でまとめるのが底力。通算11アンダー4位に後退したとはいえ、金メダルまで3打差で踏みとどまった。

2ボギー先行から崩れなかった

前回の金メダリストであるザンダー・シャウフェレ(米国)、このコース開催の欧州ツアーで優勝経験のあるトミー・フリートウッド(英国)と首位で並ぶ3人の最終組に入ったムービングデーは、序盤で崩れてもおかしくなかった。

左奥にピンが切られ、池の上を打っていくようなロケーションとなった2番(パー3)。この日難度2番目の平均スコア「3.360」を記録したホールでアイアンショットを左奥の池にこぼした。ドロップゾーンからの打ち直しも5.5mを残す大ピンチ。このシビアなボギーパットを真ん中から沈めて傷口を最小限にとどめた。

グリーンの外からチッピングで惜しい場面も連発

「きょうは終わったこと。あしたいいプレーができるように」とだけ言った前半はティショットが左に飛ぶシーンが続いた。チャンスホールの3番(パー5)も左に曲げてレイアップを強いられ、4番も1Wショットを左のブッシュに突っ込んでボギー。2パットのパーだった6番も左ラフ。左に池が口を開ける9番(パー5)は右ラフに入れ、獲りたいホールでバーディを奪えず折り返した。

チップインの10番が初バーディ。12番も6mを流し込むなど、中長距離のパッティングはスピードが安定していた。5Wで2オンに成功しながら3パットのパーだった14番(パー5)、返しの1.5mを決めきれなかった16番と短い距離で悔やまれるシーンもあったが、前日ダブルボギーの18番は右ラフからしっかりグリーンの広いサイドを使って2パットで切り抜けるパーでフィニッシュ。「チャンスがある位置で何とか終わることができたので。あした、いい一日にできるように頑張りたい」と前を向く。

前回の金メダリストを追いかける

シャウフェレとジョン・ラーム(スペイン)が首位で並び、フリートウッドが1打差。松山の背中には1打差で世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)やロリー・マキロイ(アイルランド)とメジャーの優勝争いのような顔ぶれが並ぶ混戦模様。「それはどこの試合に行ってもそうです。頑張ります」。短い言葉に日本男子ゴルフ界初メダルへの決意を込め、最後の調整へ急いだ。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)

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