2024年 全英オープン

出発<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

2024/07/21 12:15
悪天候でもロープ外の熱気は増すばかり

出発前から当たる確率が高そうな天気予報サイトを検索して、スコットランド・トゥルーンの週間天気を見ることがここ1カ月の日課となった。出発が近づくにつれて予報が固まってくるのが普通なのだが、毎日のように4日間の予報がコロコロ変わる。一日の中にも四季があると言われるほど、ここスコットランドの天気は変わりやすいのだろう。

練習日から雨が降ったりやんだり、風もこの時期のスコットランドらしくクラブ選択に影響を及ぼすほどの、いかにも「全英オープン」という天気が続いた。迎えたムービングデーは、予選ラウンドに吹いていた強風がおさまり、朝から陽が差すほどの好天。期待していなかった分、足取りも軽くコースに飛び出して行ったのだが、用心深く防寒肌着を着込んでしまった僕は、プレーヤーでもないのにひとり大汗をかく始末。天気予報サイトを恨んだ。

ところが、優勝争いの中心である午後組がスタートする頃に雲行きは怪しくなり、しばらくするとすっかり雨模様に。寒さも加わり今週一番の悪天候となった。カメラやレンズへの影響を気にしながら最終組の2人を待っていると、背後から大歓声が上がった。

振り返ると、降りしきる雨をもろともせず、片方の手には傘、もう片方の手にスマホやビールを持って声援を送るたくさんのギャラリーの姿があった。コースと同じく、この大自然によって鍛えられたギャラリーが選手の背中を押す。鉛色の雨空のもと、ティショットを打ち終えた2人は、この声援に応えながら出発のときを迎えた。

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