自然＜きょうの一枚＞フォトグラファー今井暖

◇メジャー最終戦◇全英オープン 初日（18日）◇ロイヤルトゥルーンGC（スコットランド）◇7385 yd（パー71）

神が創造した自然。その自然を相手に己の力を試す。ゴルフを形容するときによく使われるのがこのフレーズだ。

相手に左右されず自分自身でスコアを作っていくという競技の特性を端的に表している。相手のスコアは関係なく、己や自然と闘うことこそこのスポーツの醍醐味である。

世界最古のオープントーナメントである「全英オープン」は自然と闘うことをこれでもかというくらい押し出してくる。降り続ける雨、止むことのない風、体の芯まで冷やす気温。

他にも伸びっぱなしのラフや一度での脱出を許さないポットバンカーなど試練の数をあげ出したらキリがない。自然を司る神のゴルフ試験に1年に一度みんなで挑戦しているようだ。入念な準備をし、あらゆる対策を立てたとしても気まぐれな神の采配によって全てが覆される。

全体の最初の選手が1番ホールから出発して、最終組が18番ホールに戻ってくるまでおよそ15時間。選手だけでなく、このトーナメントに関わるすべての人が己の限界と戦っている。体も頭も疲れ果て、深い眠りに落ちたと思ったら翌日の試練が夜明けとともにやってくる。

神が創造した自然。その自然を今度は味方につけて次の新しい一歩を踏み出す。