“あと2ホール”から3時間中断 松山英樹の長い一日「早く寝ます」
◇米国男子◇トラベラーズ選手権2日目(21日)◇TPCリバーハイランズ(コネチカット州)◇6835yd(パー70)
最後の7打を打つまでに、3時間以上かかった。午後4時過ぎ。松山英樹の終盤のプレー中、上空に近づいたのは鉛色の雷雲。後半17番、フェアウェイからの2打目の直前に中断のホーンが響いた。ため息交じりにクラブハウスへ引き上げ、再開したのは午後7時25分だった。
4アンダー13位で終えた初日は体調不良に苦しめられた「きょうの方がまだマシでした。まあ完ぺきになることはないので。これくらいだと思います」とこの日はわずかでも回復したが、フィジカルが必ずしもスコアに直結しないからゴルフは難しい。
前半4番で4mを沈めて最初のバーディを奪った直後、5番(パー3)の第1打をピンから遠い右サイドのバンカーに入れてボギー。「きのうみたいにパッティングがうまくいかなかった。ショットも相変わらず悪いですし…」とかみ合わない。フェアウェイからの2打目をピンそば1mにつけた7番でバーディを奪い返しても、勢いに乗れず11番(パー3)で再びバンカーセーブに失敗してボギーを喫した。
後半12番から2連続バーディを決めながら、296yd設定の後半15番でボギーがまた来た。3Wでのティショットが右サイドへ。1オン可能なパー4で左サイドの池は避けたものの、2打目のライが難解だった。左足下がりのラフからウェッジでかき出したボールは砲台グリーンに届かず3オン2パットのボギー。バーディだった前日から一転、この日は犯したリスクが裏目に出た。
再開直後の17番の2打目は池越えのシビアなショット。「これだけ雨が降ればグリーンが軟らかくなっていると思った。後ろの傾斜を使える、逆にラッキーだなと思いながら」という9Iでの狙い通りの一打も、2mのフックラインを沈めきれずバーディに繋げられなかった。
再開後の2ホールはいずれもパーで、4バーディ、3ボギーの「69」。通算5アンダーの21位に後退した。巻き返しが求められる中では、翌日にプレーを残さず、ホールアウトできたことがせめてもの救い。「疲れましたー。暑かったし。早く寝ます」。長い一日のあとのムービングデーに備えた。(コネチカット州クロムウェル/桂川洋一)