「“シミュレーションの機械”買おうかな」松山英樹がTGL入りの経緯を説明
◇米国男子◇トラベラーズ選手権事前情報(18日)◇TPCリバーハイランズ(コネチカット州)◇6835yd(パー70)
タイガー・ウッズとロリー・マキロイ(北アイルランド)の発案から生まれた「TGL」に松山英樹が加入を決めたのは約1カ月前だった。アリーナで行われるリアルとバーチャルが融合した新形態のゴルフに「楽しそうだなと思った」のもさることながら、「このメンツだったらなおさら。『全員メジャーチャンピオンだ』と思いながら」と心が躍ったという。
MLBボストン・レッドソックス、サッカー・プレミアリーグのリバプールFC等の親会社であるフェンエイスポーツグループ(FSG)が出資するチーム「ボストン・コモンゴルフ」は、全6チームのうちでもひと際豪華な顔ぶれになった。メジャー4勝のマキロイに2011年「全米プロ」王者のキーガン・ブラッドリー、13年「マスターズ」優勝のアダム・スコット。21年にグリーンジャケットに袖を通した松山の眼にも、PGAツアーのトッププロによる団体戦はいっそう魅力的に映った。
関係者からの接触は昨年中にあったという。「1日の試合ってどういう感じなのか。スケジュール的に月曜日にやるということは、(ツアー競技の)準備が1日なくなるということ。自分にとっては現実的ではないかな…と思っていた」。当時は概要がつかめず決断を先送りにしていたが、ことし1月末、加入が決まっていたティレル・ハットン(イングランド)が「LIVゴルフ」に移籍したタイミングで改めてラブコールがあった。
TGLのゲームは選手がマイクを付けて、アリーナ内のファンや視聴者を楽しませる施策がある。「英語ができない僕をサポートしてくれるのもありがたいですよね」とサポートを前向きに捉え、ゴルフのすそ野を広げるアクションへの挑戦を決めた。
アリーナでは50yd以内のアプローチ、パターはグリーンとホールに向けて実際に打ち、それ以上の距離は巨大なスクリーンに向かってショットを放つシミュレーションスタイル。松山は普段、一時帰国した際に「インドアでシミュレーションゴルフを使って練習もしますよ」とスタジオでスクリーンに向かって打つこともある。
「ただ、ターゲットラインなんか(の仕様)が同じか、どうか分からないから。ある程度は対応できるとは思うけれど、現地で見て、(TGLで使用されるものと同じ)シミュレーションの機械も買おうかな…」と野望を明かした。(コネチカット州クロムウェル/桂川洋一)