松山英樹「今日の状態なら仕方がない」 体調回復するも納得のプレーに遠く
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 3日目(18日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)
松山英樹はスタート前の練習場でボールを打ち、キャップを取って汗をぬぐった。朝から立ち込めていた霧は晴れ、気温はグングンと上昇。前日の熱は下がり、状態もいい。背中の痛みもなく、何も気にせず振れる。ようやく、いつも通りの松山が戻ってきた。
前日に39度近い熱を出して「65」を出したのだから、体調が回復すればもっとスコアを出せるのでは。そうした周囲の期待がうまくハマらないのがゴルフ。この日は伸ばせそうで伸ばせない、もどかしい展開が続いた。
出だしの1番(パー4)はティショットがつかまり過ぎて左の木の根元に止まり、いきなりボギーが先行した。その後もなかなか安定せず、右と左へのミスを交互に繰り返し、5番まではスイングを模索しながらなんとかパーを重ねていった。
6番あたりからスイングのきっかけをつかみ始め、ナイスショットが増えてくる。7番(パー5)のセカンドでは、5番ウッドを振り抜いて2オンに成功。6.5mのイーグルパットは惜しくも外れたものの、2パットでバーディを奪い、前半をイーブンで折り返した。
折り返しの10番(パー5)。松山はセカンドでドライバーを握ってカットボールで攻め、2オンこそしなかったものの“砂イチ”でバーディ。そのまま上位グループに加わりそうな展開だったが、「良かった雰囲気は出ていたんですけど、なかなか続けられなかった」と、11番(パー3)から5連続パーと伸ばし切れない。最終18番(パー5)をバーディで締めものの、松山のモヤモヤを解消するには至らなかった。
終わってみれば、3バーディ、2ボギーの「70」と1つ伸ばすにとどまった。背中の痛み、体調ともに回復。グリーンも止まりやすく、スコアが出やすい条件が整っていただけにもどかしさが募る。ホールアウト後は「(スコアは)残念ですが、今日の状態だったら仕方ないかな」と、やはり自身のプレーに納得がいかない様子だった。
松山にとって「マスターズ」以来、約1カ月ぶりとなる4日間のプレー。身体が万全ではない状態に発熱も重なり、トレーニングができずに体力も落ちた、まさに満身創痍の状態でメジャーを戦っている。欠場も考えられた中で、上位を狙える位置で最終日を迎えるだけでも満足すべきではないか。
それでも口惜しさが先に立つ。後半に伸ばせなかったことが不満だったようで、「ゴルフが最悪な状態で終わったので、このあと時間もあるからいい状態にしたいなと思います」と、ホールアウト後は練習場に直行。汗をぬぐいながら日が暮れるまで打ち続けた。通算8アンダー、首位と7打差の19位で入る最終日。少しでも上位に食い込んで、後半戦に向けて良いきっかけをつかみたい。(ケンタッキー州ルイビル/服部謙二郎)