「仕切り直せば良かった…」悔やまれるダボも蝉川泰果が貫いた笑顔
◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 最終日(14日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)
3打差4位スタートで迎える、PGAツアーで初めての優勝争い。駆けつけた多くの日本人ギャラリーから歓声を浴びながら1番ティに入った蝉川泰果は、自分でも緊張しているのが分かったという。しっかりフェアウェイを捉えた最初の1Wショットも「風がどんどん強くなってきて、打ちづらさがすごかった。難しいな、と」。これまで3日間との違いを感じていた。
痛恨は2番ホール。左手前のピンに対し、フェアウェイからのセカンドを右サイドのガードバンカーに落とすと、3mのパーパットを決められなかった。そのまま打った80㎝ほどの返しも外してダブルボギー。3番をバンカーからの寄せワンでしのいだ直後、4番でもグリーンを外してボギー。序盤でトップの背中が大きく遠のいた。
「あれ(2番のボギーパット)は“お先”しちゃダメでしたね。仕切り直せば良かった…」。ホールアウト後に悔やむシーンが起きた直後、蝉川は高橋準也キャディに笑顔で話しかけていた。「どんなことがあっても笑顔でいる」ことが今年のテーマ。「いきなり3オーバーになったところから、2オーバー(72ストローク)で踏みとどまれたのは、そういった部分もすごくあるんじゃないかと思う。去年の自分だったら、もうちょっとズルズル崩していた」。前年大会の67位を上回る通算9アンダー30位に成長を感じる部分もある。
もちろん、PGAツアー優勝のチャンスもある位置からのスタートだっただけに「(去年より)悔いは残りますね」というのが正直なところ。「でも、この経験を絶対に生かそうと思います」と誓うリベンジの機会はすぐに巡ってくる。日曜日のうちに米本土に向けて出発し、カリフォルニア州で行われる「ザ・アメリカンエキスプレス」、「ファーマーズインシュランスオープン」まで合計3連戦を予定。いずれも昨年スポット参戦した大会とあって、プロ2年目の成長を測る格好の物差しにもなる。
「また来週、再来週とチャンスがあるんですけど、同じ位置まで行って、もう1回リベンジしたいなと思っています。今週以上の良い結果を出せるように」。海外初優勝を目標に掲げるシーズンは始まったばかり。大会初日に誕生日を迎えた23歳の挑戦は続く。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)