“感覚頼み”から脱却 桂川有人はショートゲーム進化の2アンダー
◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 初日(11日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)
後半8番、桂川有人のセカンドは右からの強風にも流されて左手前のガードバンカーにつかまった。左足上がりでも、つま先は下がっている厄介なライ。「イヤでした」と苦笑するシチュエーションから何とかピンに絡め、1.8mを決めきるナイスパー。2オンに成功した最終9番(パー5)のバーディで2アンダー「68」として初日を終えた。
午前組でもしっかり風が吹く中、パーオン率は55.56%(10/18)と苦しんだ。それでも、「アプローチパターが結構頑張ってくれた。流れを悪くせずにいけた」。粘り強くパーを拾うだけでなく、折り返しの18番(パー5)では13m近い距離を流し込むバーディ。「気持ちよかったですね」とガッツポーズを作った。
「いままでの自分だと失敗していたかなっていうのが何個もあって、それが成功していた」とうなずく寄せのスキル向上は、目澤秀憲コーチとの取り組みが大きい。「ショートゲームに関してはホントに習ったことがなかった。知識がなく、感覚だけでやっていた」という桂川にとって、物理法則に基づく理論を学ぶことは新たな発見の連続だったという。
「“こうやって打ったら、こうなる”というものが、今まではたまたまそうなっていただけで、ホントは逆だったりもした。そもそもの打ち方が分かっていなかったので、そこを整理して、教えてもらった物理的なことを感覚とマッチさせる練習をしてきた」
前年大会は初日「74」で133位の出遅れも響き、アンダーパーを出せずに予選落ちを喫した。「風も強いし、グリーンも芝目が強い。ラフも長くて、悪いところに行けば出すだけになってしまう。気は緩められないけど、これを自信に変えて、あした以降もやっていけたら」。控えめに手応えをにじませ、4日間戦い抜くことを誓った。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)