松山英樹は追い上げムードも「歯車が合わず」後半急ブレーキ
◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン選手権 3日目(13日)◇TPCクレイグランチ(テキサス州)◇7414yd(パー71)
荒天の予報から一転、ダラスは気持ちのよい青空が広がった。松山英樹のゴルフも、前半は首の痛みのストレスを晴らすかのような展開となった。
出だしをボギーとしたものの、直後の2番は4mを決めてバーディ。3番も6.3mのフックラインを読み切って連続バーディを奪う。5番(パー5)では241ydから8.5mのイーグルチャンスにつけ、ファーストパットは外したもののこちらもバーディ。5番までに3バーディという展開に、ビッグスコアの予感がよぎった。
ドライバーも2日目に替えたヘッド(ZX5 MkII LS)から「マスターズ」まで使っていたヘッド(ZX5 MkII)に戻し、「ドライバーはいい感じかなと思う」と気持ちよく振り抜くシーンも多かった。8番のティショットではきれいなドローボールで、321ydのビックドライブを見せた。
ところが、その8番グリーンから展開はガラッと変わる。「あれはミスパットでした」と1.5mのバーディチャンスを外すと、そこからバーディはゼロ。「(ショットもパットも手ごたえをつかみかけて)このままいければなという感じはあったんですが…」と勢いに急ブレーキがかかる。
12番ではティショットを左に曲げ、2打目は出すだけで3打目は寄らず、この日2つ目のボギー。16番もティショットを右に曲げて木に当てるなど、「(後半は)全体的に歯車が合ってなかった」。伸ばしたい18番(パー5)もチャンスにつけたが、2m弱のバーディパットはカップから一筋外れる。松山は結局、ムービングサタデーに1打しか伸ばすことができなかった。
この日は珍しく練習場に立ち寄らず、そのまま車に乗り込んで会場をあとにした。後半のもどかしい展開を考えれば、いつもなら少しでも練習をするところだが、松山は休息を選択した。1カ月近くもクラブを握らず、ほぼぶっつけ本番で乗り込んだ今週。月曜日から連日ボールを打ち込み、ラウンドも久しぶりとなれば、そろそろ疲れはたまってきているはず。今朝の練習場では、足のサポート用に両足にテーピングを貼ってもらっていた。後半は思うように伸ばせなかったのは、試合不足による“ガス欠”もあったのかもしれない。
それでも久しぶりの試合、かつ病み上がりで、トップと6打差で最終日を迎える。来週のメジャー(全米プロ)に向けて、スイングとパットをいろいろと試せていることも大きい。最終日はどのような展開が待ち受けているのか分からないが、松山にとって収穫の多い一週間となるはずだ。(テキサス州ダラス/服部謙二郎)