ギャラリーがスピースを救った 池ポチャ…のはずがイーグルに
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 2日目(10日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7275yd(パー72)
週末のプレーを諦めかけたジョーダン・スピースをギャラリーが救ってくれた。最終9番(パー5)の1Wショットは当たりが薄く、大きく右サイドへ。風にも押されて池に一直線…と思われたボールはその瞬間、男性ギャラリーに当たってフェアウェイに戻ってきた。
ただ、スピースは右にそれていくティショットの行方から目をそらしていた。同組のマックス・ホマのキャディの「キックしたぞ!」という声にビックリ。「カート道に当たってから、彼(ギャラリー)の膝に当たってフェアウェイに行ったみたい」と球をぶつけてしまった男性にはその場でグローブをプレゼントした。
絶好のポジションから、2打目の残りは277yd。グリーン右手前まで運んでみせると、ラフから鮮やかなチップインイーグル締め。最高のフィニッシュに大ギャラリーが揺れた。
最終ホールに入った時点のスコアは通算2オーバーだった。出だし2ホールで通算5アンダーまでスコアを伸ばしながら、その後の15ホールで7つスコアを落としていた(3ボギー2ダブルボギー)。「75」として通算イーブンパーのプレー完了後に悪天候で翌日順延となったが、予選カットラインは現状1オーバー。決勝ラウンド進出となれば、運に恵まれた格好になる。
「予選を通過するためにはバーディで上がらないといけなかった。(池に入っていたら)右のラフにドロップしないといけない。そこから3打目を打ってバーディなんて100万分の1みたいな確率なのに…。3(イーグル)で終われた」と、あまりのレアケースに苦笑い。「9番はめちゃくちゃラッキーだった。あれがなければ週末に進めない。彼の情報を集めて週末にお返ししたい」
ところで、PGAツアーは来季、出場選手を80人弱に絞って予選カットを設けない高額賞金大会を8試合行う方針を今週発表したばかり。「予選通過に向けて必死になる試合の方が楽しくない?予選落ちの恐怖がない試合よりも」と問われると「全然ない」と即答し、「カットライン上でのプレーなんて全く楽しくない」と続けた。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)