PGAツアーが2024年に予選カットなしの少数精鋭大会を増加へ
◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 事前(1日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)
PGAツアーが2024年シーズンに出場人数を減らした予選カットのない大会を増やすことが濃厚になった。前日2月28日に行われた理事会での承認を受け、コミッショナーのジェイ・モナハン氏はこの日、選手に向けて文書で説明した。
「ディジグネイト・イベント・モデル」と名付けられた構想は、現在のフルフィールドの約半分に当たる70人から80人全員が4日間を戦う競技を推進するもの。ツアーは今季「昇格大会」と定めた試合の賞金を大幅に増額し、独自の人気指標である「プレーヤー・インパクト・プログラム(PIP)」上位20人に出場を求めた。来季はこれらのうち数試合を「指定大会」として少数精鋭で開催するという。
指定大会への出場権は、今季のプレーオフ第2戦「BMW選手権」に進出したフェデックスカップポイントランキング上位50人、当該年度のツアー優勝者やフルフィールド大会でのポイントランク上位者、また世界ランキング上位者らが得る。メジャーや「ザ・プレーヤーズ選手権」は36ホール終了後の予選カットを維持する。
PGAツアーが今季からトップ選手が一堂に会するトーナメントを増やしたのは、54ホールで予選落ちのない競技を実施する新リーグ「LIVゴルフ」への対抗策と見られている。モナハン氏は文書で指定大会について「ファンにとって見逃せない重要な時間を提供するだけでなく、フルフィールドの質を高められる」と訴え、次週の「プレーヤーズ」期間中に実施する選手ミーティングで説明、議論を重ねていく考えを示した。
「アーノルド・パーマー招待」の前日会見に出席したロリー・マキロイ(北アイルランド)は指定大会の実施により、人気選手同士のぶつかり合いが多くなることを歓迎。「(フルフィールドで)良いプレーを2週、3週と続ければ、指定大会に出場できるし、そこに居続けることもできる」と“昇格”のチャンスについても言及した。
予選落ちがない大会の競技性に関しては「世界選手権シリーズ(WGC)やプレーオフ、CJカップやZOZOチャンピオンシップもノーカット。LIVのせいで話題にはなっているが、それに先んじて(PGAツアーには)予選落ちがない試合はあった」とコメント。スター選手が確実に4日間プレーすることにより、多くの大会スポンサーから納得を得られると主張した。
1999年にスタートしたWGCは22日(水)開幕の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」(テキサス州オースティンCC)が最後となる見込みとなっている。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)