「パッティングが悪すぎた」 松山英樹は4日で5マッチの“フル回転”も悔しさ
◇米国選抜VS世界選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 最終日(25日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7576yd(パー71)
最終18番、グリーン奥からのアプローチはカップに向かうスライスラインに乗った。加速したボールがピンを直撃すると、松山英樹は天を仰ぎ、肝を冷やした米国選抜のギャラリーから安堵(あんど)のため息が漏れた。
「できれば1ポイントが欲しかったんですけど、ボギーはひとつに抑えられている。最低限はできたかな」。ドロー決着となったサム・バーンズとのシングルスマッチプレーは序盤に主導権を握った。1番は3.5mのパーパット、2番は5m近いバーディパットといずれも先に沈め、チャンスを作っていた相手に重圧をかけて先手を取った。
2オンに成功した7番(パー5)は14mを“OK”の距離まで寄せて再びリードを奪い、バンカーからのアプローチで粘った8番はピン周辺の強い傾斜にバーンズが翻弄(ほんろう)される形で崩れ、2連続とした。
後半はグリーン上でフラストレーションをため込む展開。10番から2連続バーディを決めた相手に並ばれると、12番(パー5)はバーンズが5mのイーグルチャンス。惜しくも外れて3連続バーディとなる中、松山が決めればこのホールは引き分けという5mがひと筋カップをそれた。
この日初めて追いかける状況となった13番、14番(パー3)もショットのチャンスメークを生かせず。1Wで左の小川に落とし、この日唯一のボギーを喫した15番で追いついたものの、勝ち切れなかった悔しさは残る。
4日間で全5マッチに出場する“フル回転”は2013年以来だったが、初出場だった当時とは意味合いが少し異なる。世界選抜のトップランカー。ルーキーが8人のチームにあって5大会連続出場。実力と経験からエースとして“計算される”立場での1勝1分け3敗には「僕のパッティングが悪すぎたせいでポイントを稼ぐことができなかった。ちょっと悔しい」と本音をのぞかせた。
世界選抜として勝利をつかむ目標は次回2024年以降に持ち越し、前週始まったばかりのPGAツアー新シーズンを見据える。「なかなかチームに貢献できなかった感じはありますけど、自分のベストは尽くせたと思う。次の大会に向けて良い準備をしたい」。昨年鮮やかな優勝を飾って日本のファンを熱狂させた「ZOZOチャンピオンシップ」(10月13日~/アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ)も控える秋の戦いが本格化していく。(ノースカロライナ州シャーロット/亀山泰宏)