米国選抜入りはLIV組のおかげ? マックス・ホマが“いちゃもん”跳ね返す連覇
◇米国男子◇フォーティネット選手権 最終日(18日)◇シルバラードリゾート&スパ (カリフォルニア州)◇7123yd(パー72)
優勝が決まった瞬間、マックス・ホマはニコリともしなかった。緊張感が漂う表情を保ったまま、静かにキャディと握手。そして、1mからまさかの3パットで敗れたダニー・ウィレット(イングランド)に歩み寄った。「クレイジーな結末だった。ラスト3分間は何が起こったのか、まだよく分かっていない。ダニーは素晴らしいプレーをした」。最後まで争ったライバルに敬意を払った。
2016、17年大会を制したブレンダン・スティールに続く大会史上2人目の連覇を引き寄せたのは、まぎれもなく自分の力だ。途中から雨が降り、冷たい風も吹きつける悪条件。2番(パー3)でボギーが先行しても、動じなかった。「何かを成し遂げようとするとき、自分にプレッシャーをかけすぎないようにしている。ここではいつもバックナインで良いプレーをしてきた。自分のゴルフをすることに集中したんだ」。勝負どころのサンデーバックナインまで耐え忍んだ。
1打差で迎えた最終18番(パー5)、ウィレットがバーディチャンスにつけた後でギリギリを狙った3打目のバンカーショットをグリーンに届かせることができなかった。絶体絶命の状況からチップインバーディ。相手の3パットでタイトルが転がり込み、「ゴルフって不思議なゲームだよ。最終ホールでとんでもないことが起こるんだ」と言った。
次週「プレジデンツカップ」へ、これ以上ない弾みをつける勝利。キャプテンズピックで初めて選抜メンバー入りした31歳のもとには、心ないメッセージも届いていたという。
「Twitterで『LIVのメンバーが抜けていなかったら、チームには入れなかっただろう』なんて言われたりもした。(逆に)今週は少し肩の力が抜けていたよ」。冷静に話し、結果で見返した。舞台となるノースカロライナ州クエイルホロークラブは、3年前の「ウェルズファーゴ選手権」でキャリア初優勝を飾ったコースでもある。トッププレーヤーの1人として、堂々と米国を背負って戦う。(カリフォルニア州ナパ/亀山泰宏)