「ノーマンより、ひとつ多い」 マキロイが喜ぶ21勝の意味
◇米国男子◇RBCカナディアンオープン 最終日(12日)◇セントジョージズG&CC (カナダ)◇7014yd(パー70)
「今日という日を僕はずっと覚えているだろう。PGAツアー21勝目。“誰かさん”より、ひとつ多い。それが今日、僕にちょっと特別なインセンティブを与えてくれた。成し遂げることができて幸せだ」。ロリー・マキロイ(北アイルランド)がグリーンサイドの優勝インタビューで発した言葉の真意は、続けて行われた記者会見の冒頭で明かされた。
「ノーマンより、ひとつ多いからね」。サウジアラビアの資金を背景にグレッグ・ノーマン(オーストラリア)が推進する新リーグ「リブゴルフ・インビテーショナルシリーズ」の初戦が行われ、PGAツアーとの対立が決定的となった週でもあった。そのタイミングでノーマンと並んでいた勝利数で上回れたことが痛快だった。「ちょっとしたプライドみたいなものかな。ひとつ前に行きたかったんだ。それができたことは僕にとって本当にクールだ」
海の向こう、ロンドンではPGAツアーと袂を分かった選手たちがビッグマネーをかけて戦い、話題を呼んだ。だからこそ、ジャスティン・トーマス、トニー・フィナウとの最終日最終組で最高峰のぶつかり合いをファンに見せられたことがうれしい。
「JT(トーマス)には何度もやられている。彼に勝つには本当にいいプレーが必要だ。トニーも、きょう素晴らしいプレーをした。ベストの相手と戦い、ベストのプレーをして勝つということは、いつだって特別だ」。最終18番グリーンの周りにはギャラリーが押し寄せ、ウッズが5年ぶりの優勝を飾った2018年「ツアー選手権」の熱狂ぶりが記憶をよぎったという。「ここが世界で最高のツアーなんだ。トッププレーヤーが戦うこと。それこそがファンが望むものなんだと思うよ」と胸を張った。
次週はメジャー第3戦「全米オープン」(マサチューセッツ州ザ・カントリークラブ)。ツアーで優勝した翌週にメジャーを勝った選手は2014年を最後に出ていない。「それが誰か知っていますか?」と聞かれ、思わず笑った。「僕のことでしょ?」。8年前に「WGCブリヂストン招待」、「全米プロ」と連勝を飾って以来のメジャータイトルへ、これ以上ない弾みをつけた。