ウッズは不屈 決勝進出にマキロイ「究極のプロだ」
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(20日)◇サザンヒルズCC (オクラホマ州)◇7556yd(パー70)
昨年2月の自動車事故で大けがを負ったタイガー・ウッズが、4月の「マスターズ」以来の復帰2戦目も決勝ラウンド進出を果たした。初日の99位から挽回しバックナインは予選カットラインとの攻防。粘り強いプレーで週末にコマを進めた。
バーディを奪った直後の11番(パー3)、ウッズの第1打は大きく左に曲がった。肩を落としたままレッドペナルティエリア内からの2打目はグリーンの向こうのバンカーへ。3mのボギーパットも決めきれなかった。
痛恨のダブルボギーをたたいてからがメジャー通算15勝の真骨頂。「巻き返さなくてはならなかった」と続く12番で4.5mを沈めてパーセーブ。13番(パー3)でバーディを取り返した。14番(パー3)、15番もショットをバンカーに入れながらパーでしのぎ、第2打をピンそば1.5mにつけた16番でバーディ。「69」でまとめて通算3オーバー、1打の余裕を持って53位で予選ラウンドを通過した。
前日から事故で負傷した右足を気にするシーンが散見され、宿舎では日々治療が続いている。それも言い訳にせず、「成功を収めてきたこの舞台に戻って、世界のベストプレーヤーたちと戦うことを誰もが望んでいる」と懸命に18ホールを回り続けている。
「予選落ちしたら試合には絶対に勝てない。けれど、僕はカットライン上で通過してから勝ったこともある」。あすのムービングデーは「きょうのバッバ(ワトソン)のようなプレーができたらいい」とこの日のベストスコア「63」すら見据えた。
隣で一緒にプレーしていたロリー・マキロイ(北アイルランド)も驚きを隠せない。「オーガスタ、そしてここでも予選を通過するとは信じがたい。きのう、(ウッズの)キャディとジョークで『ツアーの中でもフラットなコースのホンダクラシックやバルスパー選手権は彼にとって幾分易しいはず』と話していたんだ。だが、彼はこの歩くのも大変な2つのコースでも通った。回復力もすさまじく、精神的にもタフだ」と目を丸くした。
2人はプライベートでも親交が深く、今回も復活へのプロセスの一端を垣間見てきたマキロイ。「究極のプロだ。きのうの様子を見ていたら、僕だったら棄権して家に帰ろうとすら思ったはずだ。でもタイガーは違う。彼は他と違うということを証明した。不屈の努力の賜物だ」