2022年 WMフェニックスオープン

“アイス”も溶かすスタジアム カントレーの珍しいガッツポーズ

2022/02/12 11:34
16番バーディでガッツポーズ。カントレーも熱くなる

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 2日目(11日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

昨シーズンの年間王者パトリック・カントレーのニックネームは“パティアイス。いつも冷静な立ち振る舞いからそう呼ばれるようになった。フェニックスのスタジアムは、そんな氷をも溶かす。16番(パー3)でバーディパットを沈めると、珍しく力強いガッツポーズを作り、パターを空に掲げて大声援に応えた。

松山英樹ジャスティン・トーマスとの予選36ホールはこの男が引っ張った。「ヒデキとは何度もプレーしているし、JT(トーマス)とは自宅のある(フロリダ州)ジュピターでもプレーしている。ジュニア時代から何年も友達だから、地元で回っているみたい」

わずかに精度を欠いたアイアンショット、ウェッジショットをパッティングでカバーした。後半アウトでは4番(パー3)で3m、最終9番で4.5mを沈めてパーセーブ。2日間を通じたストローク・ゲインド・パッティングは全体トップの「+6.229」で、この日はボギーなしの「66」でまとめた。通算9アンダー4位で決勝ラウンドに進む。

雄大な18番ホール。1Wショットも一日を通してまずまずだった

2022年に入り、前週までの出場3試合は4位、9位、4位と優勝こそないが高いレベルで安定している。世界ランキングは4位だが、「5位じゃなかったっけ? 気にはなるけど毎日チェックするようなものじゃないよ」と数字とは一線を引いている。

そんな平坦なカントレーの心をもゆさぶるのも、巨大スタンドを外周にする異色のホール。16番グリーンに向かう間の観覧席にはコスチュームを着て酒を浴びるように飲むファンもいる。「(観客の様子は)あまりしっかり見ていなかった。音楽が流れてみんな騒いでいて。バックでうなり声のような感じで聞こえるんだ」と言いつつ、あの感覚は忘れられない。

「きょうは6mを沈めてバーディを決められて最高だった。あのパットはやっぱり、きょう決めたほかの6mのバーディパットとは違うんだ」(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)

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