初勝利へ マスターズ2位&新人王のザラトリスは食べて、鍛えてパワーアップ
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 3日目(28日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇ サウスコース(7765yd、パー72)、ノースコース(7258yd、パー72)
メジャー初制覇を遂げた「マスターズ」最終局面で、松山英樹がスコアを注視した相手が新星ウィル・ザラトリスだった。オーガスタで2位に入り、その後も活躍し続けた25歳は昨シーズンの新人王を獲得。いよいよプロ初勝利が待たれる今年、見た目にも一回り大きくなったのには理由がある。
「逆転の発想だ」と語るザラトリスは、毎日の生活で食事のタイミングを見直した。午前6時と早い時刻に朝食を、夜遅くに夕食をとるという。「日中に2食分がおなかに入っている状態」をつくることで、約7キロの増量に成功。「人生で初めて172ポンド(約78kg)まで増えた」と満足げだ。
連戦に臨んだ昨年後半、故障も経験した。食生活の見直しとともに、ジョーダン・スピースらを指導するトレーナー、デーモン・ゴダード氏に師事してパワーアップに挑戦している。今冬は「初めて目標体重をしっかり設定して、強く、持久力をつけようと思った」と充実のオフを過ごしてきた。
17位から出たこの日は、ティショットで339ydを飛ばした前半2番で、40ydほどの2打目をウェッジでカップに沈めてイーグルを先行。その後、快調にバーディを重ね「65」をマークした。最近は1Wショットで「練習場では計測器で12ydも飛距離が伸びた」という実感がある。肉体面での向上のみならず、6位に入った前週の「ザ・アメリカンエキスプレス」の直前、これまでよりも長い、46インチシャフトの1Wを発注しバッグに入れたばかり。「きょうはこれまでで一番と言えるくらいティショットが良かった」と手応えがある。
ジェイソン・デイと並んで通算14アンダー、PGAツアーの最終日を初めて首位で迎える。「ここは(2018年に)プロになって初めて出場した大会。ツアーの中でも僕にぴったりなコースのひとつだと思うんだ。何が起ころうとも楽しみたい」。スター選手たちが並ぶ歴代王者のリストに名を刻む。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)