新居購入のイム・ソンジェ 50試合目で1勝、100試合目で2勝
◇米国男子◇シュライナーズチルドレンズオープン 最終日(10日)◇TPCサマリン(ネバダ州)◇7255yd(パー71)
イム・ソンジェ(韓国)は昨年、PGAツアー出場50試合目の「ザ・ホンダクラシック」で初勝利を挙げた。今度はちょうど100試合目で2勝目。「初優勝を手にするまでは大変だったけれど、2勝目はもっと難しく感じていた。とにかく耐えました」。1勝に要した試合数は同じでも、勝利の味はまた違う。多くの環境の変化を経て、飛躍のタイトルを勝ち取った。
ムービングデーの「70」の後退で首位から陥落しても、23歳はあきらめなかった。トップと3打差6位からスタートし、前半アウトで5バーディ。10番で勢いに乗ったことを確信した。第2打地点のフェアウェイバンカーは「あまり良くないライ」。そこから6mのチャンスにつけ、パットを決めて「すごく自信になった」という。
圧巻の5連続バーディを13番(パー5)までに決め、リーダーボードを見たのは14番。「5打差がついていて、ミスだけしないようにすれば勝てる」と落ち着き、結局ノーボギーの「62」。通算24アンダーは2位に4打差をつける圧勝だった。
前回優勝の昨年3月「ザ・ホンダクラシック」から2週後に、ツアーは新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断。“勝ち方”を覚えた矢先に水を差された格好になった。「リズムを取り戻すのが大変だった。とにかく自分を信じるしかなかった」と振り返る。
今年2月に新たなトレーナーを迎え、「東京五輪」前週から新しいキャディとコンビを組んだ。その間、ジョージア州アトランタに自宅を購入。米下部ツアーへの挑戦を開始した2018年から続けていたホテル暮らしを終えた。「空港が大きいから、どこにでも行きやすいんだ」と、腰を据えて転戦できるようになった。
次週「ザ・CJカップ」は「僕にとって最も大切なスポンサーの大会。とにかくいいプレーができるように火曜日から準備したい」。運気はきっと向いているが、同じラスベガスで行われるゲームを前に「カジノには行かないよ」と笑った。(ネバダ州ラスベガス/桂川洋一)