爆発力は9年目も健在 松山英樹は70ホール目から「-4」
◇米国男子◇フォーティネット選手権 最終日(19日)◇シルバラードリゾート&スパ (カリフォルニア州)◇7123yd(パー72)
わずか3ホールで局面を一気に変えられる。松山英樹はPGAツアー本格参戦から9年目のスタートも持ち前の爆発力を見せた。32位から出て中位で停滞して迎えた16番(パー5)からバーディ、バーディ、イーグルと4つスコアを伸ばして「66」。2021―22年シーズン開幕戦を通算13アンダーの6位で終えた。
スライスラインを外したグリーン上で、パターが思わず手からこぼれた。チャンスを生かせないホールが続くたびにストレスが溜まる。「7番まではそんなに感じなかったんですけど、8番、9番、10番…と、すごく腹が立っていた。良いショットを打っても、良いパットを打っても入らない。木に当たったりもしていた」。13番では360yd越えの1Wショット、ピンそば1.2mにつける2打目でファンを魅了しながらライン読みのミスでパーだった。
ナパの爽やかな気候に反した展開から、終盤の爆発を呼んだのは高精度のチッピングからのガマンに尽きる。右ラフからの2打目をバンカーに入れた14番。「(ショットを)曲げたところをパーセーブできたのが最後につながった」とノーボギーを継続。
16番(パー5)、フェアウェイから5Wでグリーン奥のカラーまで運んだ。17番は右サイドのセミラフから132ydをAWでかち上げ、ピンそば1mにつけて2連続バーディ。最終18番(パー5)は2ホール前のリベンジとばかりに、今度こそ奥のカラーからの3打目をパターでねじ込み、今季初のイーグルで締めくくった。
昼下がりの30分あまりでリーダーボードを駆け上がり、ホールアウト時点ではクラブハウスリーダーだった。「トップ10圏内で終われて良かった」と急浮上の締めくくりには満足げ。「マスターズ以来…じゃない、あったわ。(2位だった8月のWGCフェデックスセントジュード招待は)記憶の外に行っていますけど(笑)。きょうみたいなプレーがたびたびできるようになれば」
次戦は10月7日(木)からの「シュライナーズチルドレンズオープン」(TPCサマリン)。翌週は同じネバダ州ラスベガスで「ザ・CJカップ」(サミットクラブ)に出る予定。目の前には2週のオフがある。「ショートゲームとロングゲームのバランスが取れていない。どっちかが良くなると、どっちかが悪くなる。帳尻が合うところがあると思うので、この2週間で見つけたい」。来年2月に30歳になるシーズンの滑り出しは上々だ。(カリフォルニア州ナパ/桂川洋一)