2009年 全米プロゴルフ選手権

【GDO EYE】熱い男、藤田寛之の叱咤激励

2009/08/16 11:23
穏やかな人柄の奥に、日本ツアーに対する熱い想いを秘めている藤田寛之

「全米プロゴルフ選手権」で2年連続で決勝ラウンドに進出し、今週も3日目を終えて26位タイと健闘を見せている藤田寛之今田竜二片山晋呉と、日本が誇る日米ツアーのトップ2人が予選落ち、石川遼も70位タイと下位に沈んでいる現在、一層の輝きを放っている。

だが、藤田の心中は穏やかではない。この日、自らのプレーについて語った後の言葉が印象的だった。「日本人がここに4、5人くらい居てもいいじゃない。何で居ないんだ、って感じ」。藤田の頭の中には、日本人プレーヤーの世界的地位の向上、というテーマが常にあるようだ。

決勝ラウンド進出を決めた昨日も、「予選通過で満足しているようじゃダメ。世界に対して、日本人プレーヤーがアピールできる位置にいることが大事」と、表情を引き締めていた。「もっとシンゴみたいに、メジャーに出るようにならないと」。確かに、現在の国内男子ゴルフ界でメジャーの常連と言えば、片山晋呉の1人状態。メジャーに出場するチャンスの少ない藤田からしてみれば、若手に対してもどかしさを感じているのだろう。

「日本人だってやるんだ、どうだコノヤロー、という気持ちで日本に帰りたい。完全燃焼して、(目標の)順位を決めるのではなく無限に行けるだけ行きたいですね」。長年、胸の奥に凝り固まっていたモヤモヤとした想いを、自分のため、そして日本ゴルフ界のために明日の最終日にすべてぶつける心構えだ。(編集部:塚田達也)

2009年 全米プロゴルフ選手権