全米オープンで珍事? 「目に砂が入って」棄権した世界13位
◇メジャー第5戦◇全米オープン 2日目(18日)◇トーリーパインズGCサウスC(カリフォルニア州)◇7652yd(パー71)
世界ランキング13位につけるビクトル・ホブラン(ノルウェー)が第2ラウンド10ホールを消化して棄権した。
ただの途中棄権なら決して珍しくない。ただ、理由はかなり独特だった。インスタグラムで左目にガーゼのようなものを当てて処置した写真をアップし、詳細に経過を説明した。
事の発端はスタート前の練習。バンカーショットを試み、左目に砂が入ってしまったという。「このような不幸な状況に直面した場合、数回瞬きをして砂がなくなるのを待つのが対処法だ。しかし、サンディエゴ特有の砂は、まだ残っていた。それはまるで、何時間もの有酸素運動をしても落ちないお腹の脂肪のようだった」
初日を3オーバー75位と巻き返し可能な位置で終えていた23歳。しばらく違和感と格闘していたが、結局、左目が極端に見えづらいまま第2ラウンドのティオフを迎えることに。プレーしながら回復を待ち、予選通過を目指す“作戦”に切り替えた。出だし4ホールこそ1ボギーと粘ったものの、前半14番から3連続ボギー。折り返しの18番(パー5)では回復傾向にあった左目が、一転して「最初の状態に戻ってしまった」。後半1番でダブルボギー。スコアは通算9オーバーだった。
「かつてあった希望の光は、どこかに逃げてしまったんだ。To withdraw, or not to withdraw. That was the question(棄権するのかしないのか、それが問題だった)」。医師の診察を受けたようだが、ウィリアム・シェイクスピアの「ハムレット」に出てくる有名なセリフを引用してユーモアを利かせるあたり、軽症だった様子。「棄権したくはなかった。すぐに戻ってくるよ」と締めくくった。