「悪いなりにそこそこできた」 松山英樹はメジャー連勝ならずも…
◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(23日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)
「76」をたたいて優勝争いが遠ざかった3日目は、何より「ゲームを壊したのが悔しかった。悪い流れを戻せなかった」。首位と8打差で迎えた最終日も、松山英樹の頭にはトップのことがあった。2番(パー5)で1Wショットを左のペナルティエリアに打ち込んでダブルボギー。「優勝の可能性がだいぶなくなってしまった」と嘆きつつ、試合は投げなかった。
前日までとは異なる南西からの風で、コースの攻め方は一変した。「きょうこの風が吹くと分かっている時点で、頭に入れていた」と松山は柔軟に対応し、4バーディ、2ボギー1ダブルボギーでまとめた。通算1オーバーのまま23位でフィニッシュ。「きょうはオーバーパーを打たなくて良かった」と自ら及第点をつけた。
「72」で終えられたのは、フォローの風を受けた終盤ホールでスコアを伸ばしたから。15番でフェアウェイから残り129ydの2打目をピンそば1mにつけてバーディ。グリーンの手前に池が構える実測231ydの17番(パー3)は6Iでピン左4mを攻めた。「ちょっとミスだったが、フォローだったので良いところについてくれた」と4つ目のバーディ。「後半になって少し良くなったところで終わってしまったのが残念」。復調も感じられた。
マスターズ王者として臨んだ初めてのメジャーは、“ブランク”が敵として立ちはだかった。前週「AT&Tバイロン・ネルソン」で約1カ月ぶりにツアーに復帰し、急ピッチで調整を進めた。今大会は週末に肩回りの筋肉を気にするシーンがあった。「しばらくゴルフをやっていなかった代償です」。その中で2試合とも4日間を戦い抜き、「昨日の後半だけが特別悪かっただけで、悪いなりに『そこそこ』はできた」と地力を発揮した。
ひとつメジャーを獲ったことで「変なプレッシャーはない」と解放された気分でもいる。次週をオフとして6月3日(月)開幕の「メモリアルトーナメント」(オハイオ州ミュアフィールドビレッジGC)に出場。2014年にPGAツアー初優勝を飾った試合にメジャータイトルを引っ提げて帰る。
「これだけ風が吹いた中で、なかなか対応することができなかった。基本的なショットとパットを調整できればアジャストできる。しっかり、もう一回作りたい」。グリーンジャケットに袖を通しても、燃え尽きた様子はない。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)