2021年 マスターズ

松山英樹がオーガスタ18ホールを語り尽くす/3番(パー4、350yd)

2021/03/24 19:45
オーガスタナショナルGCの3番ホール。グリーン左手前からのアプローチが難しい(Jamie-SquireGetty-Images)

ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。3番はパー4の中で最も短いホールだが、リスクとリワード(褒美)がはっきり共存する。

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松山は無風ならば4I、または5Iでティショットをフェアウェイに置き、2打目に100yd以上を残す攻めを基本にしてきた。「飛ばし屋は1オンができるパー4。僕のような(1Wショットが)300ydクラスの選手では届かない」からと言って、第1打をグリーンの近くまで運ぶことが必ずしも良いとは考えていない。

グリーンに届かないショットはグリーン左手前のエリアに集まることが多い。ここからの2打目は距離こそ短いが、相当な打ち上げになる。「グリーンエッジまでは残り30~40ydくらい。打ち上げの3、4ydを計算すると結構な高さがある」。しかもそのグリーン左のエリアは縦横ともに10ydほどと狭く、尾根が走る。

「打ち上げのアプローチは当然ながらグリーン面が見えない。特にグリーンの左(ショートサイド)にピンがあるときに限っては難しい。傾斜でワンクッションさせる手もあるが、ソフトにバンプさせると上り切らずに手前に戻ってきてしまう。だからフワッとした高い球で止める技術が必要」

オーガスタナショナルGCの3番は距離が短いパー4

グリーンは右から左に全体傾斜しており、突っ込みすぎた後の右サイドからのアプローチも危険。「これがまた微妙な逆目になっていて、ちょっと左足下がり。グリーン面もさらに下がっていて、そのエリアがすごくイヤに見える」

確かに「4ラウンドのうち1回ある」というピンがグリーン右奥に立つときは、ティショットで1Wを握る手も有効ではある。左手前のエリアからなら、グリーン面を“長く”使える(多少でも転がせる)からだ。その積極策を採ったときは「グリーンの右に曲げると、バーディはノーチャンス」。下りになるアプローチが寄る確率は極めて低い。

ピンポジションによって、その逆サイドから攻めることが肝心。まずはグリーンを狙うにしても、レイアップするにしても、左サイドのバンカー群を避けて、フェアウェイをキープするティショットが求められる。

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