2021年 アーノルドパーマー招待

痛み「あります」 松山英樹は左手負傷のアクシデント乗り越え予選通過

2021/03/06 09:09
薄氷を踏むプレーで予選を通過した松山英樹。左手首にはテーピングが

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待 2日目(5日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7454yd(パー72)

予選通過圏外の87位タイから出た松山英樹は4バーディ、2ボギーの「70」で回り、通算1オーバー53位で決勝ラウンドに進出した。中盤に起きた負傷のアクシデントも、しびれるカットラインとの攻防も、なんとか乗り越えた。

緊張感あるラウンドに暗雲が垂れ込めたのは折り返しの18番。深い左ラフからの第2打が、グリーン右手前の池に落ちた。「ラフの抵抗に勝とうとしすぎたのか」。打ち直しの4打目の後、4mを沈めてナイスボギーとしたが、心配な要素は別にあった。

左手首から親指付近を右手で押さえて痛がる仕草を見せた。後半3番に入る前にトレーナーにテーピングを巻いてもらい、第1打の後にマッサージ治療を施されたことでプレーを続けられたが、しばらくの間はショットの後のフィニッシュも決まらなかった。

左手首には途中からテーピングを巻いた

予選カットラインを見上げるプレーが続く中、得意のチッピングが順位を押し上げた。6番(パー5)、「フェアウェイに残るか、グリーンに乗ればと思っていたが、思いのほか飛んでしまった」という第2打はグリーン右のラフに。ピンの向こうは湖、下り傾斜のグリーン面に対してウェッジで高いロブショットを放ち、ピンそば1.5mで止めた。

「練習ラウンドでもあそこから練習していたので。芝の元気もなくなって、乾燥もしていたので(ヘッドが抜ける)ラッキーもあった」と事前の準備が生き、午後のプレー時間帯にも感謝。8番で4つ目のバーディを奪い、週末にコマを進めた。

左手の親指は古傷でもある。「しばらくぶりに痛くなった」。ラウンド中は動揺もあり、ホールアウト後も「痛み? ありますね」と正直だった。

患部のケアを一番に考えながら、決勝の2日間をプレーできることを喜ぶ。「大きいと思います。きょうの後半のプレーがあしたもできたら。4、5打縮められれば面白い位置になるんじゃないかと思う。週末にチャンスを逃さないよう準備したい」。首位と10打差の現状も嘆かない。試行錯誤の36ホールで得るものを大きくしたい。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

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