「君が来てくれてうれしい」カマイユー・ジョンソンにエール
◇米国男子◇AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ 2日目(12日)◇ペブルビーチGL(7051yd)、スパイグラスヒルGC(7041yd、いずれもパー72、カリフォルニア州)
最高峰のツアーは、やはり甘くなかった。主催者推薦で出場のカマイユー・ジョンソンは通算14オーバー155位と最下位でPGAツアーデビュー戦を終えた。
初日は比較的タフなスパイグラスヒルGCで「81」。2日目のペブルビーチGLでは3ボギー1ダブルボギーとバーディを奪えなかった。それでも「素晴らしい経験をさせてもらった。これは損失じゃない。常に学びなんだ。ここからはい上がっていくだけだ」と下を向くことはなかった。
貧困に苦しんだ幼少期を過ごし、屋外でなにげなく棒を振り回していた姿が近所にあるゴルフ場の女性マネジャーの目にとまって始めた競技。黒人などのゴルフにおけるマイノリティに属する選手の地位向上を目指す「アドボケイトプロゴルフ協会」(APGA)のツアーで好成績を収めて推薦を勝ち取った1月の「ファーマーズインシュランスオープン」直前には、PCR検査陽性で欠場。ようやくたどり着いた夢の舞台だった。
前週2日(火)からカリフォルニア州に入り、アフリカ系米国人としてツアーで奮闘するハロルド・バーナーIIIとサイプレスポイントをプレーする機会にも恵まれた。「一生忘れられない思い出になる」と胸に刻んだ感動は、それで終わりではなかった。
「キース・ミッチェル、リッキー・ファウラー…素晴らしい人たちばかりだ。たくさんの人が僕のもとへ来てくれて『君の歩みに感銘を受けた』『君がここに来られて良かった』と言ってくれた。僕にとって何よりのモチベーションになる。家に帰って練習しなきゃと思わせてくれる」
3月には地元フロリダで開催される「ザ・ホンダクラシック」に再び推薦で出場予定。グリーン上に苦しんだという技術的な課題、トップ選手たちからかけられた言葉でさらに燃え上がった思いが、27歳を突き動かす。