2020年 マスターズ

ウッズ支えるオーガスタの経験値「キャリア後半でも勝負できる」

2020/11/11 11:24
ディフェンディングチャンピオンとしてオーガスタの地を踏む(Jamie SquireGetty Images)

◇海外メジャー◇マスターズ 事前(10日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)

タイガー・ウッズが初めて「マスターズ」に出場したのは1995年のことだった。開幕前から鮮明に覚えている。「水曜日にジャック(ニクラス)とアーノルド(パーマー)とプレーする機会があった。18番を終えたときに2人から『パー3コンテストに行かないか?ついて来い』って誘ってくれたんだ。一緒にパー3コンテストをプレーできたのは、いままでで最高に素晴らしい思い出のひとつだよ」と感慨に浸った。

昨年4月の戦いは、さらに大きな感動を刻んだ。11年ぶりとなるメジャー通算15勝目を5回目の大会制覇で飾った。18番グリーンを出て長男・チャーリーさんを抱きしめ、「(亡くなった)父との記憶も一気に駆け巡った。いま思い出しても、涙が出てきそうだ」

記録にも記憶に残る大会からディフェンディングチャンピオンとして戻ってくるまで、予想以上に長い時間がかかった。コロナ禍で4月から11月への延期を余儀なくされ、秋のオーガスタで防衛戦に臨むことになった。

「こんなに長くグリーンジャケットを保持するのは本意ではなかった。本当なら4月に戻って再び獲得するために戦いたかったけど、それはできなかった。でも、試合ができるのはとても幸運なことだ」

今季は9月の「全米オープン」で予選落ち、得意コースに会場を移して連覇に挑んだ「ZOZOチャンピオンシップ」も72位と状態は上がっていない。「ショットが良ければパットが、パットが良ければショットが…という感じでかみ合わなかった」と振り返りつつ、経験が大きなアドバンテージになる舞台だと繰り返した。

「フレディ(フレッド・カプルス)とベルンハルト(ランガー)を見てくれ。60歳を超えても戦おうとしている。ここに来たばかりの頃はドライバーとウェッジで打つことが多かった僕も、いまは少し長いクラブを使うことが多くなった。でも、ここではどのようにショットを打つか、ミスするならどこかを理解しておくことが間違いなく役に立つ。過去のチャンピオンがキャリアの後半に勝負できる理由のひとつであり、僕もそのひとりになりたいと思っているよ」

ニクラスやパーマー、セベ・バレステロス(スペイン)やレイモンド・フロイドの名前を挙げ、歴代覇者たちの間でショートゲームなど“豆知識”を受け継いできたことも明かした。自身23回目となるゴルフの祭典。王者のプライドを胸に開幕を待つ。

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