コロナ禍での食事事情とプロアマの寄付システム/米開催「ZOZO」インサイドリポート
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ@シャーウッド 3日目(24日)◇シャーウッドCC(カリフォルニア州)◇7073yd(パー72)
タイガー・ウッズが2019年、記念すべき第1回大会を制した「ZOZOチャンピオンシップ」はことし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で会場を日本から米国本土に移した。世界中が混乱に陥る中、PGAツアーはカリフォルニア州のシャーウッドCCで行うことを決定。“一度限り”の米開催の様子を株式会社ZOZOの大会スタッフがリポートする。
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コロナ禍では公共の場での食事にかかる制限が多い。とくに全米50州で最多、88万人以上の感染者(24日現在)が出ているカリフォルニア州では、一般レストランでもデリバリーやテイクアウトが基本で、“店内”の飲食も屋外スペースに限られているケースが多い。
選手に対するホスピタリティも最高峰のPGAツアーでは、各大会が朝食、昼食を彼らのために用意する。だがいまは、手作りの品ばかりが並ぶ以前のブッフェ形式とはいかない。前週の「ザ・CJカップ」が行われたネバダ州ラスベガスは規制が緩和されており、CJが展開する韓国食品ブランドのBibigo(ビビゴ)の料理も並んだが、カリフォルニアで同様のサービスを振る舞うことはできなかった。
PCR検査の陰性結果が出たスタッフ、選手・関係者が集まるため、食事はクラブハウス内でできる。スタッフとの飛沫感染を防ぐためテーブルの上には透明の仕切りを用意。朝食はマフィンやベーグルにシリアル、バナナといった具合の米国らしいメニュー。温かい料理はその場で焼き上げる卵料理、サンドイッチなど。ランチなどはプラスチックの容器に入ったパッケージ、米国版のお弁当だ。
「(日本開催の)来年こそは和食をミックスしたいと、コースのレストランのシェフとも話をしています」と大会事務局長の畠山恩さん。「今回初めて出場したリッキー・ファウラー選手の祖父は日本人。自身の実家でも必ずお米が食卓にあったそう。炊飯器も持っていて、友達も『目玉焼きとごはんを一緒に食べるのが好きだ』と言っているとか…。日本の食文化がアジアの外にも広がるのはうれしいと話してくれました」
そんな制限がいまだに多い中でも、PGAツアーは日常を取り戻そうと動き出している。秋にプロアマ戦が復活し、名門シャーウッドCCにはセレブが集まった。スポーツ選手以外にも、ドラマ『24』で大統領役を務めたデニス・ヘイスバートや、サックスミュージシャンのケニーGの姿も。ちなみに当地メンバーのNHLのレジェンド、ウェイン・グレツキーは義理の息子ダスティン・ジョンソンが新型コロナ陽性で欠場したことで、今回はパスした。
プロアマはチャリティに紐づいたもの。地元団体の「シャーウッドケアズ」を通じて、参加枠のオークションを実施。売上金を地域貢献に役立てる。