霧の中を歩いた石川遼「ひとつひとつの試合が楽しい」
◇米国男子◇ZOZOチャンピオンシップ@シャーウッド 事前(21日)◇シャーウッドCC(カリフォルニア州)◇7073yd(パー72)
開幕前日、濃い霧が立ち込めた朝のコースに石川遼は出ていった。歴戦のプロキャディたちのように、ボールを打たないコースチェック。入念な下見を済ませ、プロアマ戦に出場しない選手がラウンドできる午後になってからイン9ホールをプレーした。
20日(火)と合わせ、「歩き」と「ラウンド」をそれぞれ18ホール。「まず歩いて、それから打つ。最初から決めてました」。直前まで「日本オープン」を戦って渡米し、事前準備に使える時間が少なかったことが理由のひとつ。そして、「まずはフラットな目で広くコースを見て、いろんな想定をしたかった」と説明する。
「普通にラウンドだけしたとき、たとえばパー5のティショットがフェアウェイにいって、2オンできたとすると、4日間それをやろうとしてしまったりする」。まずはリスク管理を徹底した上で実際にボールを打ち、プレーのイメージを明確にしていく手順を踏む。プランを立ててから臨む分、実際の練習ラウンドの時間は短くなる。この日も9ホールを2時間弱で回った。
1年前に日本で開催された「ZOZOチャンピオンシップ」出場時と比べ、理想のスイング追究とコースマネジメントをバランスよく両立できつつある実感があるという。「試合に向けての練習の仕方、コースチェックの仕方が変わってきている。違った角度からトーナメントにアプローチしている。コースごとに自分の持っているゲームの中で何を当てはめていくか。ひとつひとつの試合が楽しい」と言った。
ことし5年ぶりに出場した海外メジャー2試合に続き、今週もバッグを預ける田中剛コーチとの取り組みの成果でもある。「一歩一歩ですけど、着実に前に進むことができている」とうなずく。
PGAツアーとしては短い、7073yd(パー72)のセッティング。「距離的にはセカンドで届くパー5も多い分、罠や誘惑がある。ことし出場してきた(海外の)試合の中では一番、100~140ydの距離が残ると思う。自分の課題であり、強みにしていきたい部分。その距離にしっかり運んで、そこからいかに2打でホールアウトできるかがキーになる」とテーマを掲げた。(カリフォルニア州サウザンドオークス/亀山泰宏)