石川遼は5カ月ぶり公式戦に出遅れ “事前準備”には納得
◇メジャー第1戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(6日)◇TPCハーディングパーク(カリフォルニア州)◇7251yd(パー70)
石川遼は2バーディ、4ボギーの「72」で回り、2オーバーの90位タイと出遅れた。2015年の「全米オープン」以来となったメジャーは、スタートのアウトコースでスコアを落として耐える展開。後半にかけて「何度か練習している通りに打てるようになった」とショットに復調の兆しが見え、2日目の巻き返しへの光明を口にした。
「5年ぶりのメジャー」よりも「5カ月ぶりの公式戦」という実戦感覚の乏しさが、石川に重くのしかかった。スポット参戦した3月初旬の米ツアー「ザ・ホンダクラシック」を最後にコロナ禍で遠ざかっていた公式戦。「(出だし)1番から結構バタバタなショットだった。きのうまでの感じに戻すのに、いっぱいいっぱいだった」という。5番でボギー先行。10mを沈めた6番でバーディを獲り返した後、7番、8番と第1打を右に曲げてボギーにした。
ズルズルと行きそうな流れを食い止めたのが折り返しの9番。ティショットを今度は左に大きく曲げ、2打目をフェアウェイに置いた。花道から残り30ydのアプローチをピンそば1.5mに寄せてパーセーブ。「(全体的に)ラフがかなり深いので、グリーンの近くまでなんとか運んで、30から40ydの距離が残ることが多いかなと思って(練習を)重点的にやっていた」と、限られた時間内での準備が功を奏した。
「パーを9番で獲って後半に行けて、10番のバーディでホッとした」。3連続ボギーを回避してからは復調の兆しを見せた。キャディとして帯同中の田中剛コーチと構築中のスイング、マネジメント、「今まで一番と言えるくらいキレイなグリーン」という速いグリーン上でのプレーがかみ合い始め、パーが続いた。アウトで2ホールだったフェアウェイキープは、インで5ホールに増えた。
7月末に渡米し、自主隔離を経て臨んだ今大会。「出場しているメンバーのレベル、コースのセットアップで緊張感が高まる。そこにギャラリーが入るとさらに緊張は高まるが、(無観客でも)充分と言ってもいいくらいすごく緊張しました」と震えるものもある。「ショットを少しまた軌道に戻せればなと思う。後半のほうがよかったので、あした楽しみです」。午後スタートの2日目までの時間を有効に使いたい。