石川遼は自主隔離経て5年ぶりメジャー “新コーチ”をキャディに
◇メジャー第1戦◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(4日)◇TPCハーディングパーク(カリフォルニア州)◇7251yd(パー70)
2015年の「全米オープン」以来5年ぶりのメジャーに備えて、石川遼は約3週間前に米国入りしていた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で入国時にロサンゼルス近郊で自主隔離。「最初の4日くらいは時差ボケで、ひどい生活をしていました」と苦笑いする期間も経て、会場のサンフランシスコに入った。
今大会でキャディを務めるのは3月からコーチとして指導を仰ぐ田中剛氏。ゴルフデータ分析の専門家とシーズン中断時にスイング改造などに取り組み、自粛期間も一緒に過ごしてきた。今回のタッグは「試合は初めてだし、この5カ月、継続が大事だと思った」と長期的な視点で捉えている。一方では「新たな挑戦。かなり色々やっていて、(変更点を)ひとことでは言えないが成果を感じている」とポイントで前進を感じるのも事実だ。
公式戦は2月下旬「WGCメキシコ選手権」、「ザ・ホンダクラシック」以来となる。いずれも低迷し、悔しさだけを日本に持ち帰った。コロナ禍で自信を取り戻す場も、発散する場もないまま時間が経過。「5年ぶりということに関してはあまり意識していない。(試合が)5カ月ぶりというのが自分としては新鮮かなと。けがをしたわけでもなく、体調が良い中で想定外のことが起きてこうなった。自分が今、何を必要とされているか、何をやるべきかを考えさせられる期間でした」
会場のTPCハーディングパークでは2009年「プレジデンツカップ」を世界選抜の一員として戦った。当時18歳。ダブルスでぶつかったタイガー・ウッズを終盤、本気にさせるロングパットを決めた。「今回のほうがフェアウェイは軟らかい。グリーンは短く刈られていて、自分が思うよりも50㎝転がったり、最後に伸びるような感じ。距離も伸びていて、パー70の設定、バンカーも新しく作られた。新しい雰囲気でやって行こうかなと思います」と11年前のイメージを更新しながらコースチェックしている。
予選ラウンドは飛ばし屋のジェイソン・コクラック、短い距離を得意とするラファ・カブレラベロー(スペイン)というタイプの違う2人と同組になった。ふたりはもちろん、米国を主戦場にするトッププロ。「PGAツアーの選手とは違って試合が続くわけではないが、1試合やって、何かを吸収して、改善して、反省して次の試合にというステップでやっていきたい」と地に足のついたプレーを期す。「メチャクチャ楽しみですね。調子がすごく悪いわけではない。楽しさが爆発しそうなところもあるが、淡々とやりたい」と静かに意気込んだ。